メガネで耳が痛い場合の対処方法は
ズバリ!眼鏡専門店に持って行って、耳のどの部分が痛いのか等を伝えながら掛け心地の再調整をして頂くことをお奨めします。
また、決してご自分で調整することはお奨めしません。よく手先が器用な方がご自分で直そうとしてしまいますが、単純に耳の部分の曲がり方を変えれば良いというものではないからです。
例えば鼻パッドの高さや幅、角度の調整や素材の変更、さらにヨロイの開きとテンプルが側頭部をどのくらいの圧であたっているか、耳に当たるモダン(先セル)の曲がり方や曲げの位置、太さや素材の種類等の調整や変更も必要になる場合があるからです。
しかもメガネは掛ける位置によっては、目の中心とレンズの中心がズレてしまい、見え方が悪くなる可能性もありますので、このようなことも含めた再調整が必要になるからです。
因みに、無理に曲げようとするとテンプルが折れたり、鼻パッドが取れてしまったりという事も起きてしまいます。このような場合は修理センターでの対応となり、1週間から10日程度お預かりせざるを得なくなりますし、その間はメガネを使用することが出来なくなりますので不便な状態となります。ちょっと面倒かもしれませんがご持参いただく方が結果的に良い場合が多いと思います。
もちろんご購入された眼鏡店で再調整してもらうのが一番良いですが、一部、低価格を売りにしている眼鏡店の場合、職歴が浅く技術力が十分ではない店員が対応する場合もあり、もしかしたらご満足いただけないかもしれません。このような場合は、ベテランの販売員がいるような眼鏡専門店をお奨めします。
では次に、根本的な原因をご紹介していきましょう。
メガネで耳が痛い原因 ① 耳だけに力が加わっている
本来、メガネの重さは、鼻、側頭部、耳の3か所で分散して支えているのですが、そのどれか一つでも欠けるとそれ以外の場所に余分な荷重がかかり、痛みを生じさせる場合があります。
例えば鼻パッドの位置や角度が鼻の形と合わなかったとします。すると側頭部(こめかみ)の当たり方や耳だけで支えることとなり、結果、フロント(鼻側)に引っ張られるような感じで、耳の後ろ側に荷重が掛かりすぎてしまいます。
メガネで耳が痛い原因 ②フレームのデザイン(金手)
輸入物やクラシックテイストなフレームに多いのですが、耳に当たる部分のプラスチックのパーツ(モダン・先セル)が付いておらず、金属がむき出しになっているものがあります。
これを金手(かねて)と言い、スッキリとした見た目から人気があるデザインなのですが、フロント側が重たい場合、金手が耳に食い込むような感じで痛みを発生させることがあります。
メガネで耳が痛い原因 ③ フレームのデザイン(バランス)
レンズを入れるフロント側が太かったり、素材の都合で重かったりするフレームの中に、稀にテンプルが細すぎるフレームがあります。掛け心地よりデザイン性を重視するとこうなる場合があるようです。
この場合、フロントとテンプルの重量バランスが悪く、重たいフロントに引っ張られる感じで、耳の後ろ側が痛くなってしまいます。
メガネで耳が痛い原因 ④ そもそもサイズが合っていない
メガネフレームにはサイズがあり、フロントが大きくなるとテンプルも長くなるように設計されていますので、極端に大きすぎたり、逆に小さすぎるフレームを選択しなければ問題になることはそうそうありません。
しかし、流行りの伊達眼鏡は大きいものが多く、同じようなものをメガネでも作ろうとすると、テンプルが長すぎたり、側頭部の抑えが出来なかったり、レンズ自体が重くなってしまったりで、あまりお奨めできない仕上がりになってしまう事もあります。
逆に見た目が可愛いからと子供用の小さいフレームをご希望されるがたまにいらっしゃいますが、顔幅に対してフロントが小さすぎると、掛けた時に顔を摘まむような感じになってしまい、結果的に鼻側に押し出されるようになってしまいます。
また、テンプルの長さが足らずに耳に掛からない場合もあります。
メガネで耳が痛い原因 ⑤レンズの重量
実は耳が痛いと訴える方は昔と比べ随分少なくなりました。
その理由はレンズの素材がガラス主流からプラスチック主流に変わった為です。
ガラスの方が圧倒的に重たいですから、いくら掛け心地を調整してもフロント側の重量が重くなり、バランスが悪くなってしまうのです。
鼻パッドの跡がえぐれるように残っているような方は、昔、ガラスのレンズを使っていた方なのかもしれませんね。
メガネで耳が痛い原因 ⑥ 耳の位置が極端に高い
人の顔はパッと見で見分けがつくほど異なります。鼻の高さも違えば耳の高さも違います。中には極端に耳の位置が高い人もいれば、逆に低い人もいます。
こういった場合、掛け心地に影響することがありますので、ヨロイ(レンズを止めているリムの外側で後方に向けて曲がっている部分)での角度調整を行いますが、中にはデザイン的に調整が出来ないフレームもあります。
もし、ご自分で耳の位置が高い事を知っているようであれば、ヨロイで角度調整が出来るフレームを選んでいただくことをお奨めします。
メガネで耳が痛い原因 ⑦ メガネがゆがんでいる
お渡しの時に掛け心地の調整をさせて頂いたと思いますが、メガネは使っているうちにゆがんでくることが多くあります。
因みに、ゆがみの原因は、片手で掛け外しをすること、何かにぶつかったり踏んでしまったこと、鞄やスーツのポケットにむき出しのまま入れてしまった等が多くあります。
片手での掛け外しや保管方法に関しては、日々のちょっとした気遣いで防ぐことが出来ますので、面倒かもしれませんが大切に扱っていただくことをお奨めします。
メガネで耳が痛い原因 ⑧ 熱による変形
プラスチック系のフレームに有りがちなのですが、熱を加えたり、逆に冷やしすぎると変形してゆがむことがあります。
真夏は車内に放置したり、砂浜の上に放置することは避けてください。冬場はストーブに近づけるのも危険です。
また、最近はサウナが流行っていますが、過熱と冷却を繰り返すことは素材の変形の原因になります。
尚、補足になりますが、サウナに入る時は、金属系のフレームはお奨めできません。金属部分を極端に加熱しますと火傷の原因となる場合もありますので、ご注意ください。
メガネのフィッティングのコツ
メガネは耳に引っ掛けるような形で支えていると思っている方が多いと思いますが、実はこの発想そのものが、耳が痛くなる原因の一つになります。
と言うのも、本当に上手なメガネのフィッティングは、摩擦で止めているからです。
モダン、もしくは先セルというプラスチック系の耳あてを、耳の形状に合わせつつ、耳の付け根から髪の毛の生え際までの皮膚の部分に添わすことで、摩擦を生み出して止めるのが上手いフィッティングと言われています。
また、適度な側頭部(こめかみ)での押さえ込みも重要であり、この押さえ込みが無いと耳と鼻に加重が掛かりすぎることとなります。
ただし、押さえ込みが強すぎると血管や神経を圧迫しますので、何か違う症状が出てくることも考えられます。
鼻パッドに関しても血管や神経が少ない位置に来るように調整しつつ、摩擦を使って加重を分散しています。
尚、フロントが重い場合は、鼻パッドを大きくすることで摩擦を増やしたり、シリコン製のパッドに付け替えることで対応する場合もあります。
道具を使った対処方法
既に使っているメガネに対して施す対処方法をお伝えします。
尚、いくつかのメーカーから似たようなものが発売されていますが、ここでは取り扱っている店舗が一番多いであろうメジャーなものをご紹介します。
●メガネグリップ
取り外し自在で3倍に伸び、肌にも安心なシリコン製のメガネグリップがソフトにフィットします。サイズは2種類でMサイズがメタル枠用、Lサイズがセル・プラスチック枠用。色は共にブラウンになります。価格は税込660円です。
●メガロック
耳に当たる部分に差し込むだけでメガネをしっかり固定します。特にスポーツなど体を動かすことが好きな方にお勧めです。肌に安心なシリコン製です。
種類はメガロックF、メガロックV、メガロックMの3種類で、メガロックFはフックが長いタイプ。メガロックMが短いタイプ。そしてメガロックVが中間の長さとなりますが、一番売れているのはメガロックVです。色は各3~4色展開で、価格は税込660円です。
メガネグリップ&メガロックの使用感
実際に自分のメガネにはめて使ってみた感想です。
共にシリコン製なのでグリップ感が強く、最初は少し引っ張られるような感じがありましたが、摩擦が増えるのでメガネがしっかりと掛けられました。
しかも、シリコン製で柔らかいので、痛みのようなものは全くなかったです。
ちょっと太くなったというか、出っ張りがあるというか、いつもと違うという違和感はありますが、直ぐに慣れて気にならなくなりました。 ご自身で出来る一番簡単で手軽な方法ですので、お試しいただくのも良いと思います。
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