メガネ選びのポイント

ふちなしメガネのお話。|メガネスタイリスト里和さんの連載⑨

メガネをあまり目立たせたくないという方にニーズの高い「ふちなしメガネ」。でも、上手に掛けこなすことで、おしゃれ上級者になれるメガネでもあります。そこで今回は、里和さんにふちなしメガネのメリットとデメリットやおすすめの選び方について教えていただきました。

お話をうかがいました

里和(さとわ)さん

帽子とメガネのスタイリスト

2006年より帽子作家として活動。銀座三越や京王百貨店(新宿)などでグループ展を行った際、「似合う帽子の選び方」を知りたいお客さまがたくさんいることに気づき、「似合う帽子を見つける3つのポイント」を帽子理論として独自で体系化。その後、帽子スタイリストとして活動を始める。同時期にメガネの相談を多く受けるようになり、現在はメガネと帽子のスタイリストとしても活動。メガネの買い物同行サービスやプロ向けの講座「メガネと帽子のプロ養成カレッジ」なども開催している。

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ふちなしメガネに似合う顔、似合わない顏

――男性でふちなしメガネをかけたいと思っている人は、どんな理由で選んでいるのでしょうか?

里和 ふちなしメガネを選んでいる人は数ある種類のなかから選ぶというより、「ふちなしがいい」と指名買する人が多い気がします。選ぶ理由をうかがうと、「素顔の時と印象が変わらない」「メガネが目立たないから」というお答えがほとんどです。

印象を変えたくないと思っている方でも、選び方を間違えるとふちなしメガネといえどもがかえって目立ってしまうこともあります。印象をできるだけ変えたくないのであれば、テンプルやブリッジはあまり太くないものがおすすめです。男性でテンプルがブルーなど派手な色のものを選ぶ方がいますが、それだと余計に目立ちます。目立たなくさせたいのであれば、リム以外のパーツにも気を配った方が良いですね。

――試着する時にしっかり横顔も見た方が良いということですよね?

里和 リモートの時は正面を向いて話をすることが多いですが、リアルで人と会う時は斜めや横からも見られていることが多いですよね。メガネを選ぶときは、横顔を見られているということも意識していただきたいです。

――正面では存在感が薄めなふちなしめがねでも、似合う顔・似合わない顏はあるのでしょうか?

里和 フチのあるタイプよりメガネが目立ちませんので、比較的誰にでも似合うと思います。強いて言うなら、顔が小さい人やすっきりした顔立ち、からだが華奢な人の方が顔馴染みがいいですね。

顔が小さい人は標準サイズのフレームだと「昆虫ぽく見える気がする…」とあるお客様がおっしゃってたのが印象的でしたが、要がはメガネが大きすぎて馴染まなかったり、顔のすっきりした人(塩顏・しょうゆ顔)はメガネの存在感に負けてしまうことがあります。

サイズの合うメガネがなかったり、メガネの存在感に負けてしまうと感じる方は、ふちなしメガネを選択肢のひとつに入れてもいいと思います。

――メガネは顔幅サイズに合わせるので良いですか?

里和 顔の幅にあわせすぎるとフチがない分、レンズが大きくなってしまうため、少し小さいくらいがでちょうどいいと思います。

ふちなしメガネが「ダサい」「いかつくみえる」理由 。そうならない選び方

――ふちなしメガネには、ネガティブなイメージもありますよね。

里和 レンズの形が細長いと怖い(いかつい)印象になってしまいますし、テンプルのデザインや色が派手なものが多いため、ゴツくみえたりヤッンキーっぽさに磨きがかかってしまうからかもしれません。

レンズの形を変えるだけで印象は変わります。
●天地幅がある
●丸みのあるレンズ
●スクエアでもそれほど細長くないちょっと縦幅があるタイプ
など。

丸いレンズもおすすめです。フチがあると丸さが際立ってコミカルで個性が際立ったな印象になることもありますが、ふちなしだとあか抜けた印象になります。

――40代や50代の男性が、丸いタイプのメガネをかけて違和感は出ませんか?

里和 クラシカルな感じになって素敵ですよ。丸いレンズをかけてみたくても抵抗感があった人は、ふちなしならそのハードルが下がるのでぜひトライしてほしいです。

ふちなしメガネのメリットとデメリット

――ふちなしメガネにはどんなメリットがあるのでしょうか?

里和 テンプルやブリッジチの素材や色にもよりますが、遠目でみるとそんなにメガネが目立たないということと、視界が開けて見えやすいこと。そして、顔の表情がわかりやすくなります。特にマスクを着けている時は、目の動きや目元のシワで感情がわかりますから、目の表情が見えやすいふちなしメガネは便利ですね。使うパーツが少ない分、軽量だという点もメリットのひとつです。

――デメリットはありますか?

里和 レンズを直接さわりがちなため汚れやすい。壊れやすい。ねじがゆるみやすいなどが挙げられます。そのため、フィッティング、調整、修理を頻繁に行うケースもあります。レンズが壊れやすいことを考えると、使用状況をよく踏まえて検討しないと怖いですね。

レンズの厚い強度近視の方は、レンズに直接ブリッジやテンプルをねじで止める構造上、レンズが割れやすくなる場合もあるので、あまりおすすめできません。あまりレンズが厚くならないレンズでも、レンズかかけやすくなる場合もありますので、少々注意が必要です。

でも、割れにくい特殊な素材で出来たレンズもあるので、気になる方は、お店の方にじっくりと相談してみてください。

ふちなしメガネをおしゃれにかけこなすには?

――ふちなしメガネが好きで、おしゃれにかけこなしたいと思っている方にアドバイスをお願いします。

里和 ふちなしメガネはカジュアルスタイルよりも、きれいめファッションのほうが似合います。レンズをラウンドタイプにするとクラシカルなイメージになりますので、全体の統一感を出すためにジャケットスタイルやシンプルなシャツと合わせると、ふちなしメガネの良さが引き立ちますよ。

男性の場合は特に清潔感のある上品なファッションと合わせるのがおすすめ。

編集部からのアドバイス:ふちなしメガネは専門店で作るのがおすすめ

レンズに直接穴を空けるため、穴の位置がずれてしまうとかけ心地や見え方が変わってしまいます。かけ心地の良いふちなしメガネを作るなら、

●高い加工技術と豊富な経験を兼ね備えていること
●調整頻度が多くなるケースもあるので、アクセスが容易な場所にあるとか、いつでも親切丁寧に対応してくれるお店であること

などの条件を兼ね備えた『眼鏡専門店』がおすすめです。

遠近両用プロショップには、高い加工技術と豊富な経験を兼ね備えた、メガネのスペシャリスト「眼鏡作製技能士」が多数在籍しております。是非、お近くの「遠近両用プロショップ」を、ご確認いただき、お問い合わせください。宜しくお願いいたします。

 

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