大柄な男性のメガネあるある
実は筆者も大柄なのでメガネ選びは難しいタイプなのですが、自分よりも苦労しているお客様もたくさん見てきましたので、先ずは大柄な男性のメガネについて“あるある形式”でお伝えします。
・メガネを掛けると、側頭部に圧迫感を感じる
・メガネを外すと、テンプルがこめかみに食い込んでいた跡が残る
・テンプルが短くて、耳にちゃんとかからない
・気が付くとテンプルが大きく広がっている
・無理なフィッティングが元で、普通のケースに入らない
・小ぶりなメガネを掛けているので、顔がより大きく見える
・メガネのフチの下の方が頬に当たる
・前から摘ままれるように押し出されてしまい、メガネがズレ落ちやすい
・お洒落なフレームを掛けたいが、小さくて掛けられないことが多い
いかがですか。平均的なサイズの方には分からない悩みですよね。
メガネフレームは本来、レンズを正しい位置に固定する為の道具ですから、過度な圧迫感が掛かることなく、長時間、正確な位置をキープ出来ることが理想です。
では、大柄な男性でも無理なく掛けられるメガネフレームはあるのでしょうか?
実はあります。あるんです。それが「キングサイズメガネ・ビッグサイズメガネ・大きなメガネ」です。
メガネのサイズについて
キングサイズメガネに関してご説明する前に、メガネのサイズ表記をご説明します。
メガネのサイズは下記の図のように、①レンズの幅、②ブリッジの幅、③テンプルの長さの3つの数字をフレームのどこかに記載することになっています。
因みに、遠近両用レンズを使う場合は天地幅(上下)も気になるところですが、記載されているフレームは少ないです。
一般的なメガネのサイズは?
メンズ、レディース、ユニセックスで多少の差はありますが、メンズに関して言うと52・53・54mmあたりが多くなっています。
昔はどうだったかと言うと、30数年前、時代が昭和から平成に変わった頃は、54 mmと56 mmが多かったです。当時は2サイズ展開することがほとんどだった為に、54と56mmか53と55mmのようなサイズになっていました。中には56と58 mm等も販売されていたように思います。
ところがその後、小さめのフレームが流行ったことや、カジュアル志向が強くなったこと、メガネがファッションアイテムの一つとして定着したこと等の理由により、全体的に小型化していき、大きめのフレームは数が減っていきました。
キング(大きな)サイズメガネのサイズは?
キング(大きな)サイズメガネに関しては明確な定義はありません。時代によって異なりますが、一般的なサイズより大きければキング(大きな)サイズ・ビッグサイズになります。
では、今現在、どれくらいがキング(大きな)サイズなのでしょうか?
メンズフレームの場合、55mmや56mmが大きめのサイズ、57mm以上が大きいサイズといった感じです。完全なるキングサイズとして販売されているものの中には、61mmや62mmというとんでもない大きさのものもあります。
実際に比べてみると分かりやすいかもしれませんので写真を掲載しておきます。 外側がキングサイズで61mm、内側が一般的なサイズで52mmです。大人用と子供用のように感じますが、両方とも大人用です。
キング(大きな)サイズフレームの種類は?
① 専門ブランド
ブランドに関して言うと、大きいサイズ専門というのは後でご紹介する「マンハッタン・デザイン・スタジオ」くらいだと思います(もし他にあったらゴメンナサイ)。
② 売り切りの企画物
ブランド品の新型を出すタイミングで「今回は大きいものを作ってみよう」というような売り切りの企画物がたまに発売されます。
③ 大きめのサイズ中心で作製
メンズブランドの中には、デザイン的に大きめのサイズを中心で作っているものもあります。
④ 定番品&継続品
一部のメーカーや卸問屋、チェーン店、仕入れグループが定番化したPBフレームでは、小さいサイズから大きいサイズまで取り揃えたものもあります。
変わったところでは、昔からずっと同じものを作り続けているメーカーもありますので、そういった会社で作っている継続品には大きいサイズのものもが含まれます。
⑤ スポーツブランド
デザインはスポーティーなものに限られますが、オークリーやナイキのようなスポーツブランドのフレームも比較的、大きいサイズのものがあります。
⑥ 欧米系の輸入品
欧米からの輸入品や欧米向けのフレームの中には大きいサイズのものがあります。
⑦ サングラスをメガネに
これはあくまでも対処方法の一つですが、サングラス用のフレームは光を遮る目的から大きいものが多いので、色付きレンズを外して度付きレンズを入れるという方法もあります。
キング(大きな)サイズメガネの問題点と対応方法
思ったより種類が多くありませんか?
そうなんです。実はメーカーや問屋に問い合わせると結構な種類のキング(大きな)サイズ・ビッグサイズがあるのですが、問題はメーカー側の在庫の有無と眼鏡店の店頭にはそんなに多く置かれていないという事です。
探している方が来店された時はもの凄く喜んでもらえるのですが、絶対的な販売数量が少ないので制作本数も展示本数も少なくなってしまいがちなのです。
対応策としては、メーカーや問屋の在庫を確認してお取り寄せをすることは可能ですので、多少のお時間はかかりますが、余裕をもって事前にお申し付け頂ければと思います。
キングサイズメガネ…雑談①
昔、大きいメガネフレームを掛けていた方はイメージが変わるのを嫌がり、さらに小さいフレームだと視野が狭くなるとの思いから、新しいメガネをご購入される時も大きいメガネフレームにする方が多かったと記憶しています。
しかし、メガネが浮いてしまうんですよね~。
特に男性は、お年を召すと顔がやせてくる方も多いですよね。
それなのにメガネが大きいままですとカマキリみたいに見えてしまって、あまりバランスの良いものではありませんでした。
また、顔に合っていないサイズだと、転倒した時に余計な怪我されることもありました。
今はあまり見かけなくなりましたが、もし、ご家族がこの記事をお読みになっているようなら、やんわりとサイズが合ったものに掛け替えるようお話ししてあげてください。
キングサイズメガネ…雑談②
日本はいろいろなものがガラパゴス化していると聞きますが、メガネのデザインに関しても同じようなことが言えます。日本ではここ20年位、小さいメガネが主流ですが、欧米では大きいメガネが主流になっています。
身体の大きさの違いもありますが、日本人は近視の方が多いことも一つの原因かもしれません。
近視の方はフレームが大きくなると、レンズが分厚くなってしまうという欠点があるため、小さめのレンズを好む傾向があります。眼鏡店側も厚さを気にされるお客様には小さめのフレームをお奨めしますので、この辺りも要因だと思われます。
キングサイズメガネ…雑談③
これはあくまでも裏技的な方法のご紹介です。
大柄な自分の顔幅に合うメガネで、しかも近視なのでレンズがあまり大きくないものを探していた時に見つけたフレームです。
このフレームは“ヨロイの張り出し”が滅茶苦茶大きかったんですね。もしやと思いメーカーの方に聞いた時もそこを狙ったと言っていましたが、レンズが小さくても大柄の男性が掛けられる顔幅に仕上がっていたんです。
レンズは53mmと一般的なサイズなのですが、“ヨロイの張り出し”が大きく、しかもステンレス素材で作られていることから適度な柔軟性があり、顔幅が大きい自分の顔でも圧迫感を受けることなく掛けられました。
先にご紹介したキングサイズ61mmと一般的なサイズ52mmの間に入れて撮影してみたのが下記の写真です。
レンズのサイズは内側の一般的なサイズと1mmしか変わらないのに、幅はキングサイズ61mmとほとんど変わりません。
レンズの度数が変わってしまって最近は使っていなかったのですが、ちょっと変わった裏技的な方法のご紹介が出来ると思って撮影してみました。
お客様がご自身でこういうフレームを探すのは難しいと思いますが、フレーム展示本数の多い店舗なら、こういうフレームが置いてあるかもしれませんので、店員さんに相談してみるのも良いと思います。
次回、後編は具体的なメガネフレームのご紹介です。
メガネやメガネレンズにお困りの方はお近くの「遠近両用プロショップ」へ。こちらの「ご相談・お問い合わせフォーム」からお気軽にご相談ください。