⇒ 前編の色が濃いサングラスを作るきっかけ、機能や工夫のご紹介はこちらから
⇒ 中編のレンズやフレームに施した工夫の結果と実際に使った体験談はこちらから
※この記事はあくまでも個人の体験からの見解となります。メガネ・サングラス選びの参考材料のひとつとなれば幸いです。
Polar Max Proと可視光調光偏光の比較 ① 見え方
前編、中編で記載した通り、色が濃いままの『Polar Max Pro』は、近くの見え方を少し諦めてでも遠くが見やすいことを取りに行きたかったので、遠くを見る度数を一段階強くして、レンズの高さも少し下げ気味で作っていますので、遠くの見え方はバッチリの大満足です。
かたや「可視光調光偏光」は、レンズの位置を普通の高さに設定していますので、遠くは普通に見えて、近くも見やすいというバランスの取れた見え方になりました。
近視で遠くが見えず、老眼で近くも見づらいことから、ベースとなるレンズは遠近両用レンズを使わざるを得ないのですが、目的や使用方法(使用時期や時間帯)が少し違う事から、レンズの選択や設定を変えたことに、結果として満足しています。
Polar Max Proと可視光調光偏光の比較 ② 使い勝手
電車通勤の筆者には「可視光調光偏光」の遠近両用メガネの方が便利です。
明るさや室内・屋外の環境に合わせて色が変化してくれますので、掛け替えることなく朝起きてから夜寝るまで一日中使えるからです。 電車の中でスマートフォンを見る時も、色が薄くなっている「可視光調光偏光」の遠近両用は見やすいです。色の変化は下記の写真を参考にしてください。
逆に、車通勤の方には『Polar Max Pro』の方が使い勝手が良いと思われます。
もちろん掛け外しの手間は覚悟しないといけませんが、偏光の恩恵を存分に享受できると思います。また、Neo ContrastのコントラストUPや色彩感度UPに関しても効果があると思います。
Polar Max Proと可視光調光偏光の比較 ③ 朝夕の眩しさ
通勤時をメインとして使う事を考えると、朝夕は太陽が低い位置にあり、非常に眩しく感じることが多い時間帯ですので、色が濃いサングラスの方が満足感は高いと思いますが、残念ながら7月下旬の6:00に撮影した下記の写真の様に、眩しさを完全に消せるわけではありませんので、その点はご理解頂いただくしかないでしょう。
左上:車内にてレンズを通さずに撮影
右上:車内にて『Polar Max Pro』を通して撮影
左下:車内にて「可視光調光偏光」の車内での最大濃度を通して撮影
右下:屋外にて「可視光調光偏光」の最大着色時の色を通して撮影
夕日に関しても朝日と同じように抑えられるものではありませんでしたが、『Polar Max Pro』と「可視光調光偏光(車内の最大濃度)」の差は明らかで、どちらも眩しいのは眩しいのですが、圧倒的に色が濃い『Polar Max Pro』の方が、私は楽に感じました。
車の運転全般で考えると、真夏と秋~冬~春の朝夕は眩しいことが多いので『Polar Max Pro』の方がお奨めと思われますが、で、秋~冬~春の日中はそれほど眩しくないので「可視光調光偏光」くらいの濃さでも充分と私は、感じました。
結果として、どちらが良いというものではなく、状況に合わせて使い分けることが良いと私は感じました。
Polar Max Proと可視光調光偏光の比較 ④ 水面
夏場は特に海や川、湖などの水がある場所に行かれる方も多いと思いますが、偏光機能に関しては『Polar Max Pro』の方が優れているという印象を私は受けました。
『Polar Max Pro』の偏光度が常時99%なのに対して「可視光調光偏光」は最大着色時でも90%です。たかが9%の差かもしれませんが、あくまでも最大着色時の数値なので、実際はもう少し違いがあると思います。
因みに、偏光レンズは水面の反射光をカットしてくれるので、水の中まで見ることが出来るという機能が有名ですので、実際に湖面で撮影してみました。
「可視光調光偏光」と『Polar Max Pro』では湖岸から沖に向かって、水中まで見える距離が違いますし、陰影の濃さなどの見え方の違いや、水面の反射具合もかなり違って見えました。
残念ながら試していないですけど、これだけ見え方が違うと一日使った後の釣果や目の疲れは大分違うと思います。
Polar Max Proと可視光調光偏光の比較 ⑤ 入店時
外出先、旅行先、観光地などで店舗や建物に入った瞬間は『Polar Max Pro』であろうと「可視光調光偏光」であろうと、屋外が晴れていれば晴れているほど、店内が真っ暗に感じます。初めは「うわ」って思うほど驚きます。
しかし、「可視光調光偏光」は時間が経ては色が薄くなりますので、屋外と屋内を行き来する時は便利で使い勝手が良いです。
逆に『Polar Max Pro』の場合、同じ暗さが続きますので必然的に外す必要があり、出来ればケースに入れて保管して頂きたいのですが、なかなかそういう訳にも行きませんよね。
そんな時に保管場所に困って、頭の上にのせたり首に掛けたりするのですが、これはレンズが汚れる原因になってしまいます。
胸ポケットに入れてみたり、Tシャツの襟に引っ掛ける方もいらっしゃいますが、こちらは何かの際に引っ掛けて壊す原因の一つになりますので、注意した方がいいですね。
Polar Max Proと可視光調光偏光の比較 まとめ
購入前からある程度は想像出来ていたのですが「色が濃いままのサングラス=Polar Max Pro」と「色が変化するメガネ&サングラス=可視光調光偏光」とでは目的が違いますよね。
ですので、単純に比較するのは難しいというのが答えだと思うのですが『Polar Max Pro』は単に色が濃いのではなく、物を見やすくしてくれる機能や目を保護する機能が付いているということが、私のような中高年には重要になると感じました。
また、近視等で普段からメガネが必要な方には、手間と荷物の問題から「可視光調光偏光」の方が使いやすいということ、強い日差しや朝夕の太陽の位置が低い時などのサングラスが欲しい環境では、色が濃い『Polar Max Pro』が使いやすいということもご理解頂けたと思います。
よって、どちらが優れているかではなく、状況に合わせて使い分けるのが正解だと思いました。 尚、これは筆者だけかもしれませんが、色が濃いサングラスって使う時にちょっと気分が上がるのは確かです。効果を保証することは出来ませんが、気持ちを若く保つためにはとても良いアイテムだと思いました。
色が濃いサングラスを購入する際の注意点(補足)
私が体験して感じたことに、色が濃いサングラスをご購入頂く際は「UVカットが施されているレンズであることを必ずご確認いただいた方がいい」という事です。
人の眼は暗くなると瞳孔を開いて、より多くの光を取り入れようとしますが、その時にUVカットが施されていないと、せっかく目の保護の為にサングラスを掛けたのに、より多くのUVを目に入れてしまう事になるからです。
眼鏡専門店で販売されているサングラスにはタグが付いていますので、タグで確認することが出来ますが、雑貨店で販売されているファッション用のサングラスにはタグが付いていないこともありますし、元々、目の保護よりもファッション性を考えて作られたものなので、UVカットが施されていない場合もあります。
この点をご理解頂き、ご確認いただくことをお奨めします。
※最後に繰り返しとなりますが、この記事はあくまでも個人の体験からの見解となります。メガネ・サングラス選びの参考材料のひとつとなれば幸いです。