rafinイリエメガネ本店様
栃木県真岡市でメガネと補聴器を販売しているrafinイリエメガネ本店の石井マネージャーにお話を伺いました。
イリエメガネ様は「いつでも気軽に立ち寄れる店」をモットーに、フレームのゆがみやレンズの汚れもサッとお手入れしてくれる地元で愛され続けているお店です。
また、遠近両用PROSHOPとして遠近両用レンズの体験コーナーを早くから設置するなど、お客様の不安を取り除くための店作りも実施されている店舗です。
rafinイリエメガネ 石井様のご希望
筆者:石井様のメガネに関して教えて頂きたいのですが、メガネを作る時にどんなことを重視していますか?
石井:私の希望は「遠くがスッキリ見たい」が一番ですね。
筆者:それはどうしてですか?
石井:元々私は目が良いのです。若い頃は1.5以上が軽く見えていました。
だから、年齢を重ね老眼になり遠近両用が必要になっても、遠くがスッキリ見えていないとダメなのです。逆に、近くは多少ボケていても、老眼だからしょうがないと諦めがついています。
筆者:眼鏡店の店員さんにしては珍しいですね。でも、少数派ですがお客様の中にも2.0が見たいという方もいらっしゃいますものね。
石井:そうなんですよ。
現実的には1.5とか2.0なんて必要ないのですが、若い頃にメガネを使わないで見ていた見え方が、メガネを使う事で悪くなってしまうのがとにかく無理なんです。
あと、レンズを通すとどうしても出てくる色の「にじみ」も苦手です。
筆者:なるほど。では、そのご希望を叶えるために、どのようなレンズを使っているかを教えてください。
HOYAの極(きわみ)という最高級の遠近両用レンズ
石井:レンズに関しては職業柄、これまでに色々なレンズを使ってきました。
そこで最終的にたどり着いたのがHOYAから発売されている「極(きわみ)」という最高級の遠近両用レンズです。
HOYAの極というレンズは、パーソナルフィット設計という完全フルオーダーレンズであり、千差万別の顔型やサイズに対し、フレーム前傾角・フレーム頂点間距離・フレームそり角を測定し、それぞれの数値をメガネレンズの設計に反映して、最適な見え方のメガネを提供してくれるレンズです。
その結果は下記の写真を見比べて頂くと分かりやすいかもしれません。
●側方アジャスト設計
●近用Naturalフォーカス設計
●両眼Naturalコントロール設計
石井:いかがですか?左がHOYAの極(きわみ)、右が従来のレンズです。結構、違いが出ますよね?
筆者:確かに全然見え方が違いますね。
石井:はい。
上記以外にも、度数別スマート設計、乱視軸ズレ補正、エルゴノミックインセット設計、両眼バランス設計、両眼複合累進設計等、数々の見え方を良くする設計が含まれています。
さらに、HOYAの極というレンズはお客様の生活スタイルに合わせ、遠く重視の遠近両用としてField(フィールド)、中間距離を重視した遠近両用としてCity(シティ)、室内での利用に最適な中心両用のRoom(ルーム)などの設計が選べるだけでなく、それぞれのタイプの中で詳細に設定を選ぶことも可能になっています。
例えば、Fieldの中にも12タイプのレンズデザイン、累進帯の長さは1mmピッチで7通り、合計84の設計から選べるのです。
筆者:凄いですね。これだけ多くの見え方を良くする設計と、生活スタイルに合わせた選択が可能だと、本当に個人個人のご希望が叶えられそうですね。
石井:そうですね。
私は遠くの見え方を重視しているので、極のFieldを使っています。
このレンズを始めて作った時は、若い頃にメガネを使わないで見ていたスッキリした見え方がやっと再現できたと感じたことを覚えています。ユガミを感じないのです。表現が難しいですけど「平ら」なんです。ちょっと感動的でしたよ。
遠近両用レンズに今一つしっくりこないとお悩みの方は、是非、試していただきたいレンズだと思います。
筆者:有難うございます。
因みに、色が「にじむ」件は、どのように対応されているのですか?
石井:先ずは屈折率を1.60にしています。
近視の度数が強い方はご存じと思いますが、レンズの厚さは屈折率と設計によって決まります。そして屈折率が大きくなればなるほど薄く仕上がります。
ただし、屈折率が高くなると色のにじみが出やすいという欠点もあるのです。
石井:この色のにじみが出る程度を「アッベ数」という数値で表すのですが、このアッベ数が高いほど色にじみが少なく、アッベ数が低くなると色にじみが多くなります。
因みにHOYAの極には屈折率が1.60、1.67、1.74の3種類あるのですが、1.60のアッベ数は42、1.67のアッベ数は32、1.74のアッベ数が33になります。
HOYAの極では発売されていませんが、スタンダードなプラスチックレンズの1.50のアッベ数は58になります。
私の場合、度数が強くないので厚くならないということもありますが、屈折率を1.60にすることで色のにじみを抑えています。
筆者:薄型レンズを選択することより、色のにじみを抑えることを重視されているのですね。
石井:はい。度数が強ければ悩むところですが、必要以上に薄くする意味はないですから。
次にコーティングの選択も、色にじみを抑えることを重視してヴィーナスガードコートの抗菌仕様にしています。
ブルーライトカットのコーティングを選択することも可能なのですが、ゴーストと呼ばれるチラつきを感じたり、物が二重に見えたりする現象を感じる場合がありますので、あえてブルーライトカットは付けませんでした。
筆者:なるほどですね。お客様の中には、ブルーライトカットの反射が気になる方もいらっしゃいますからね。
では、ヴィーナスガードコートの抗菌仕様に関して、もう少し詳しく教えてください。
石井:先ず、ヴィーナスガードコートはキズがつきにくいコートです。過去にもキズ防止コートはありましたが、さらに強くなっています。生活の中で付いてしまう小キズに関しては大分強くなったように思います。
次に静電気防止の効果ですが、ホコリを吸い寄せない効果がありますので、拭いた時にキズを付けてしまう原因となるホコリが吸着するのを防いでくれます。
また、静電気防止の恩恵として見逃せないのが「花粉を吸い寄せない」ことです。 花粉症の方には絶対的にお奨めで、その効果は下記の実験結果の写真を見て頂くと分かりやすいと思います。
筆者:これは凄いですね。私も花粉の時期は目が辛くなるので、ちょっと覚えておきます。
石井:ヴィーナスガードコートは他にも効果があるんですよ。
レンズ裏面のUVカットが付いているのも良いところです。
表面は普通に99%以上UVをカットしてくれますが、後頭部側から入ってきてレンズの裏面(内側)で反射して目に進入するUVも95%程カットしてくれるのです。目の健康に気を使わないといけない年齢になりましたので、こういう細かいところも気に入っています。
メインとなる抗菌コートは2021年3月に発売された新コーティングで、AG+銀イオンとプラチナなどを含む抗菌コートを撥水コートと反射防止コートの間に挟むことで、レンズ表面に抗菌性能を持たせたコートです。
接客業に携わるものとして、ほんの小さなことかもしれませんが、対策を施すことは必要なことだと思い付けてみました。
ただ、残念なのが本人にはその効果が全く感じられない事ですかね(笑)。
筆者:確かに抗菌って、そのもの自体の効果を肉眼で見ることは出来ないですものね。
でも、気を付けようという気持ちが大切だと思います。
石井:はい。
さらにもう一つ、度数的には弱い乱視なのでメガネ作製時に入れなくても良い位の度数なのですが、あえて乱視の度数もキッチリ入れています。
乱視の度数をキッチリ入れると1.5以上見たいという希望を叶えられる場合もあるのです。
まあ~、ある程度、慣れは必要なんですけどね。
筆者:確かに、いきなり1.5見せて欲しいと言われても難しいですよね。
石井:はい。慣れと言うか、訓練みたいなものも必要ですね。
筆者:では次に、フレームに関して聞かせてください。
rafinイリエメガネ 石井様が使っているフレームについて
石井:フレームはグッチのGG-0591、OJ/004カラー、50サイズを使っています。
筆者:このフレームを選んだ理由は?
石井:前はスクエアと呼ばれる四角くてちょっと細長い形のメガネを使っていたのですが、家族から「メガネ屋なのに普通過ぎてつまらない」って言われてしまって(泣)。
それでボストンというか何というか、ちょっと小ぶりで丸みのあるフレームに変えてみたのです。
筆者:ご家族には何て言われましたか?
石井:「まあ、いいんじゃない」で終わりました。
筆者:大丈夫です。お似合いですよ。
石井:テンプルの所の色がいかにもグッチって感じで気に入っています。
筆者:黒と金色の所にグッチのカラーが加わって、高級感がありますね。
石井:そういって頂ければ何よりです。
rafinイリエメガネ本店 石井様メガネ選びのアドバイス!
筆者:では最後に、遠近両用メガネの作り方に関してアドバイスをお願いします。
石井:はい。
当店は遠近両用PROSHOPとして約20年前から体験コーナーを設置して、遠近両用レンズの見え方、使い方を実際に体験して頂いてからご購入いただくというスタイルを推進して参りました。
初めてメガネを作る時って、もの凄く不安ですよね?
ですので、見え方や使い方を体験して頂くのです。
実生活の中でどう見えるか?どう使うのか?を体験して頂くことで、頭と体でご理解いただき、お渡し後に出来るだけ早く慣れられるようにさせて頂いております。
度数を上げる時も違った見え方になりますので、とっても役に立つのですよ。
また、最近はお仕事用と私生活用を分ける方も増えてきました。
単純にレンズの種類が増えたり、とても見やすいレンズが開発されたこともありますが、やはり、パソコンやスマートフォンを使う時間が増えたことが要因だと思います。
遠近両用は万能じゃありませんから、用途に合わせて使い分けて頂く方が快適な生活を送れますので。
是非、色々なレンズを試してからご購入いただくことをお奨めします。
筆者:有難うございました。
遠近両用レンズでお悩みの方は、是非、rafinイリエメガネの石井様にご相談してみてください。
〒321-4361
住所:栃木県真岡市並木町2-19-18
TEL:0285-83-0880
営業時間:AM 9:30~PM 7:00