レンズのはなし老眼対策

遠近両用メガネで車の運転をするときの注意点とは?

遠近両用メガネの初心者にありがちな「遠近両用を作れば若い時と同じように見える」という勘違い。運転に必要な情報の90%は目に頼っていますが、遠近両用は今までと違う見え方をしますので、遠近両用レンズの理解と細心の注意が必要です。

遠近両用レンズの設計をご理解ください

遠近両用メガネは遠くを見る時はレンズの上の方を使い、近くを見る時はレンズの下の方を使い、中間距離の約50cm~3m位は遠くを見る部分と近くを見る部分の間を使うようにして見るレンズであり、遠くから近くまで徐々に度数が変化するメガネレンズです。

また、顔の正面に見たい物を持ってこないと見づらくなるというデメリットもあります。

これらの特徴を十分に理解したうえで使い方に慣れて頂く必要があるレンズなのですが、車の運転においてはこれらの特徴を知らないと危険が及ぶ可能性がありますので、事前にお伝えしたいと思います。

遠近両用の設計イメージ

シートを倒して運転するのは危険

遠近両用レンズは目線がレンズを通る場所によって、見え方や見える距離が変わるメガネレンズですので、運転する時の姿勢にも考慮しないといけません。

特にシートを倒して運転すると、中間距離や近くを見る度数が入っている部分を視線が通りますので、遠くがボケてしまい大変危険です。

尚、真っすぐの姿勢で運転して頂く方が見え方は良くなりますが、それでも遠くが少しボケるという場合は、少しアゴを引きレンズの上の方を視線が通るような顔の角度で見て頂くと見やすくなる場合があります。

遠近両用で運転する時の姿勢

サイドミラーは左右で違う見え方に!

遠近両用レンズは鼻側の下と耳側の下がユレ・ユガミ・ボケを感じやすい部分になっています。車種やシートの高さによって異なりますが、サイドミラーは目の高さより下にありますので、目線の移動だけで見るとユレ・ユガミ・ボケを感じやすい部分を目線が通ってしまいます。

また、右ハンドル車の場合は左側が遠くなり、よりレンズのエッジに近い部分を目線が通りますが、遠近両用はエッジに近い部分(黒目から離れたところ)の方がユレ・ユガミ・ボケは強くなりますので見づらさは増してしまいます。

サイドミラーを見る時は、目線の移動だけでなく、少し顔を向けるようにした方が見やすくなります。

遠近両用レンズでサイドミラーを見る時

バックミラーは問題なし

バックミラーに関してはレンズの上の方を使いますので、特に見え方に問題はありません。

ただし、乱視の度数が強い方はレンズのエッジに近い部分は歪みが強くなりますのでご注意ください。

遠近両用レンズでバックミラーを見る時

カーナビは目線の移動だけではボケる

カーナビも目線の移動だけではボケてしまい見づらくなる場合があります。ミラー同様に少し顔を向けて頂く方が見やすくなります。

ただし、車が動いているときに長時間目線を向けるのは危険ですのでご注意ください。

遠近両用メガネでカーナビを見る時

サイドウインドウから顔を出してバックするのは困難

遠近両用だから見づらいという訳でなくメガネ全般に言えることかもしれませんが、顔を出してバックする姿勢はかなり無理があり、目線がメガネから外れてしまう可能性が高いです。目線がメガネから外れなかったとしてもエッジギリギリの所を目線が通りますので、かなり見づらくなります。

ドアを開けて体ごと捻るようにして見るか、バックモニターの併用をお奨めします。

遠近両用でバック

助手席に左手を掛けるカッコ良い仕草も注意が必要

サイドウインドウから顔を出してバックするよりかは目線が外れないようですが、それでもギリギリの所を通ることが多くなるようです。

こちらもバックモニターの併用をお奨めします。

遠近両用でバック

いかがでしたでしょうか?

遠近両用レンズは場所によって見え方や見える距離が変わり、しかもレンズ下部の鼻側と耳側にユレ・ユガミ・ボケを感じる部分があるレンズです。慣れれば特に問題なく使用できるのですが、どういう角度だと問題があるかを事前に確認してから運転して頂いた方が安全です。

尚、ここからは遠近両用レンズと特別な関連はありませんが、運転に関する情報提供です。

年齢と共に目も疲れやすくなっていますし、判断力や瞬発力も落ち始めていますので、少しでも見やすい環境を整えて運転できるよう心掛けてください。

冬場の運転にはサングラスは必需品です

特に秋から冬、そして春までの間は日光が通る位置が低くなることから、運転に影響が出やすい季節になります。

詳しくはこちらから →

眩しさ対策としてサングラスは必需品となりますので、運転用にカラーを入れた遠近両用のサングラスや、雪道にも効果を発揮する偏光レンズの遠近両用メガネを作製することをお奨めします。

運転 眩しい 太陽の通る位置

夜間運転が多い方には夜間運転用のメガネがお奨め

夜間運転が多い場合は、普通のサングラスではなく夜間運転用のメガネがお奨めです。

下記の写真は夜間運転用のメガネを作って見え方の実験をした時の写真ですが、夜間運転用のメガネは対向車のヘッドライトやミラーに映る光を和らげてくれるだけでなく、標識も見やすい効果が得られました。

詳しくは体験レポートをご確認ください。

体験レポートはこちらから →

夜間運転 夜間運転用メガネ

紫外線で色の濃さが変化する調光レンズは運転には不向き

サングラスの話になると混ざってしまう「偏光レンズ」と「調光レンズ」。

偏光レンズは反射光を遮ってくれるレンズで、調光レンズは紫外線で色の濃さが変化するレンズです。

どちらも機能サングラスの一種なので間違えやすいのですが、紫外線で色の濃さが変化する一般的な調光レンズは、UVカットされている車の中では期待しているほど色が変わらず効果が発揮できません。高級車になればなるほどです。「運転には不向き」と言うより、「効果が得られない」という感じになりますのであまりお奨めできません。

因みに調光レンズはお買い物やお散歩などのちょっとした外出や洗濯物を干す時に目を保護してくれることから、日常使いやタウンユースの方がお奨めです。

遠近両用の調光レンズ 調光レンズの使用シーン 

トンネルや地下駐車場が多い場所では、サングラスの使用に注意が必要

度付きのサングラスにありがちな問題なのですが、トンネルや地下駐車場に入った時にサングラスをしていると光量不足で危険です。

年齢と共に眩しさが苦手になってきている方は、常時使用可能なソフトカラーのサングラスや夜間運転も可能な常用レンズのネオコントラストがお奨めかもしれません。

また、ハネ上げフレームやクリップオンのサングラスを利用する方法もありますので是非参考にしてください。

ネオコントラストはこちらから →

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ネオコントラスト ネオコン 眩しさ対策 夜間運転可能

もしもの事を考えて予備メガネを持ちましょう

万が一「ネジが緩んでレンズが外れた」「ハーフリムの糸が切れレンズが落ちた」「手がぶつかってメガネが歪んだ」「暑くなったので上着を脱いだら、メガネに引っかかって壊れた」というようなことを考え、運転するときは予備のメガネを持参することをお奨めします。

遠近両用メガネを作る前に使っていた古いメガネを予備メガネとして、グローブボックスに入れておくのも良いです。