メガネレンズの種類
遠近両用の選び方をご説明する前に、メガネレンズの種類をご説明していきます。それぞれ特徴がありますので、先ずはそれぞれのレンズについてお伝えしていきます。
近視・乱視・遠視用レンズ(いちばん左)
近視・乱視・遠視用のレンズは、一般的に遠くが見づらい方が使うレンズで年齢を問わず使うレンズであり、メガネレンズの代表的なものと言えます。
この近視・乱視・遠視用のレンズを使っている方が近くを見る時は、自身の調節力(目の力)を使って近くにピント合わせを行いますが、調節力は年齢と共に弱くなり、30代後半になると目の疲れを感じ始め、40代から近くが見づらくなり、70歳を超える頃には調節力が0に近い状態となります。 この調節力が弱くなってきた状態を老眼と言い「近視・乱視・遠視用」のレンズだけでは近くを見る事が出来なくなってしまいます。
老眼用レンズ(いちばん右)
老眼用レンズは基本的には近視・乱視・遠視用と同じ設計のレンズですが、入っている度数が異なります。
老眼用レンズは、近くを見る時に使う調節力が減少したいわゆる老眼の方が使うレンズとなり、近くにピントが合うような度数設定となります。
デメリットとして、近くにピント合わせが出来るようにしたレンズが故に遠くは見えません。よって、メガネを使わない状態でも遠くが見えるという方が、近くを見る時だけ使うレンズという使い方になります。
遠近両用レンズ(左から3番目)
遠近両用レンズは「5m以上離れた遠く」と、「2~3mの中間」と、「30cmの近く」も見えるレンズであり、基本的には遠くも近くも見づらい方、言い換えると近視等で遠くが見づらい方が老眼になって近くも見えづらくなった時に使うレンズです。
「近視・乱視・遠視用」や「老眼用」のレンズのように、一つの距離にしかピントが合わない「単焦点」レンズとは違い、数か所にピントが合うことから「多焦点」レンズと呼ばれています。
また、多焦点レンズは「二重(三重)焦点」と「累進多焦点」に分かれており、古くからあるものが「二重(三重)焦点」、30数年前に二重焦点に代わり主力となったものが「累進多焦点」となります。
因みに「累進」の意味は、左側の二重焦点のような境目のある遠近両用のように度数が急に変わるものではなく、右側のような境目のない遠近両用で、徐々に度数が変化することを指します。
中近両用レンズ(左から4番目)
中近両用レンズは室内用の遠近両用レンズや歩ける老眼鏡とも言われ、遠近両用のデメリットである「中間」と「近く」の視野の狭さを解消したとても使いやすいレンズで、設計的には遠近両用の「中間」と「近く」を拡大したようなイメージになります。
お仕事では事務作業やパソコンに向いており、自宅内ではほぼ全てのシーンで使いやすい為、ここ数年で遠近両用と併用して使う方が増えているレンズです。
デメリットは遠くが見づらい事で、アゴを引いてレンズの上の方を使って見れば見えないこともないのですが、無理な姿勢を取る為に長時間見続ける事は出来ず、車の運転は不可となっています。
近々両用レンズ(右から2番目)
近々両用レンズも遠近両用や中近両用と同じような累進多焦点レンズなのですが、遠くや中間距離が見えるレンズではなく、単焦点の老眼鏡よりも見える範囲と奥行きが広いレンズという括りで販売されているレンズです。
このレンズの良いところは机上のものはほぼ全てが見えることで、電話のディスプレイも読めますし、机の奥に置いた小型カレンダーの数字も見えます。
細かい作業を伴うご趣味にも向いていますが、何といっても大型画面のデスクトップPCと非常に相性が良いレンンズですので、長時間、集中して作業をされる方にはお奨めのレンズです。
ただし、デメリットとして遠くはかなりボケますので、壁掛けの時計はうっすらとしか見えませんし、慣れているはずのご自宅や事務所内でも、歩き回るには少し不安を抱くかもしれません。
調節力サポートレンズ(左から2番目)
調節力サポートレンズは少し特殊なレンズで、「近視・乱視・遠視用」と「遠近両用レンズ」の中間に位置する単焦点レンズの括りです。
「近視・乱視・遠視用」で近くを見る時は、自身が持つ調節力を使ってピント合わせを行いますが、「調節力サポート」レンズは調節力を少しだけサポートする度数がレンズの下半分に入っていて、このサポートゾーンを使って近くを見る事で疲労軽減を行います。
また、「近視・乱視・遠視用」レンズを使っている方が「遠近両用」レンズに買い替える前に「調節力サポート」レンズを使うと、「遠近両用」レンズに慣れやすくなるといったメリットもある為、30~40代の方にお奨めする眼鏡店が多いレンズです。
遠近両用プロショップでは、お客様の用途に合わせた快適なレンズをご提案させていただいております。特に遠近両用レンズを初めてご使用になる方。もしくは、一度試したが慣れなかった方など、是非、遠近両用プロショップへお気軽にご相談ください。