疲れ目対策

「メガネ屋さんが掛けているメガネ」… 第9回 大人のパソコンメガネ

メガネ屋さんが掛けているメガネって、どんなメガネか気になりませんか?今回は疲れ目世代のどまん中と言っても過言ではない40代前半、asI'mアーベインの寺矢様が大人のパソコンメガネを掛け始めたという事で詳しくお話を伺いました。

asI’mアーベイン様は

神奈川県大和市のイオンモール大和店3Fで眼鏡を販売しているメガネのアズアイム、新店長の寺矢秀吉様から、「最近はスマホの長時間利用だけでなく、ご自宅でのリモートワークの方も増え、目の疲れを訴える方が増えているんです。だから少しでも目の疲れを軽減してあげたくて、自分も大人のパソコンメガネを作ってみました。」というお話を聞き、詳しくご説明して頂くことになりました。

寺矢様と同じように目の疲れや、肩こり、首の痛みでお悩みの方も多いと思います。是非、ご参考にして頂ければと思います。

因みに、寺矢様のお名前“秀吉”は、歴史好きのお父様が生まれたばかりの寺矢さんを見て「さるみたいだ」と思ってと名付けたそうです。

メガネのアズアイム asI'm イオンモール大和 寺矢 秀吉

え~、まだ、遠近両用でパソコンをやっているんですか?

筆者:最近、目が疲れて困っているのですが、何かいい方法はありませんか?

寺矢:お仕事はパソコン中心とお聞きしていますが、どんなメガネを使っていますか?

筆者:パソコン用のメガネを使っていますよ。「ブルーライトカット」の遠近両用レンズです。

寺矢:え~、まだ、遠近両用でパソコンをやっているんですか?

遠近両用でパソコンなんてやっているから疲れるんですよ。

もしかして、首や肩まで慢性的に辛くないですか?

筆者:確かに首の付け根が辛いですね。

寺矢:ですよね。

大人でもブルーライトカットが有効な方もいますのでそれはそれで良いと思いますが、ブルーライトカットは基本的に10代から40代前半の若い世代の方に効果が高いものです。

ですので、ブルーライトカットをメインにせず、大人向けのパソコンメガネは老眼対策をメインに考えるべきです。

筆者:いやいや、老眼だから遠近両用レンズを使っているのですが…。

寺矢:遠近両用レンズは、近視系の方が老眼になった時の常用メガネとしては凄く役に立ちます。遠くだけじゃなく近くも見えるようになるのですから、普段の生活には欠かせません。

でも、遠近両用レンズは基本的に「遠くを見るための道具に、近くを見るための機能を追加したもの」という考え方で作られたものですから、「近く」を「長時間」見続けるためのものではないのです。

筆者:それはどうしてですか?

寺矢:遠近両用レンズは、それぞれの距離にピントが合うように作られていますので、遠くを見る部分では近くが見えません。逆に近くを見る部分では遠くは見えません。

その事をご理解頂いた上で、先ずは設計ですが、下図の左上を見て頂くと「遠くを見る部分」に対して「中間」や「近く」を見るための部分の面積が小さいのが分かりますよね。単純に小さいから見づらいということです。

メガネのアズアイム 遠近両用レンズの設計

次に目線の角度です。実際にメガネを掛けた状態で写真を取り、遠近両用の設計を重ねてみましたが、近くを見るときってもの凄く下に目線を下げていますよね。

目線を下げ続けるのって案外疲れるんですよ。

さらに、ここからが首が痛い原因なのですが、画面の位置ってどこにありますか?

筆者:顔の正面か、少し下くらいです。

寺矢:となると、「近く」から「中間」位の所で見ないと見えないので、アゴを前に突き出すようにして見ていませんか?

遠近両用レンズでパソコン作業をした時

筆者:確かにアゴを前に突き出すようにして見ていますね。

しかも、首が後ろに折れているような感じです。

寺矢:ですよね。だから首が痛くなるのです。

確かデスクトップ型を使っていましたよね。ノート型だと画面の位置が低いので何とか使えるのですが、デスクトップ型だと画面の位置が高いので、角度的に無理があるんです。

無理な姿勢を続けると首が辛くなるから、アゴを引いちゃうんですが、そうすると目線が中間や遠くを見る部分を通るようになってしまって、今度は度数不足になって見えにくくなったり目が疲れてしまうんです。

一日中、アゴを出したり引いたりの繰り返しで、眼も疲れるし、見えにくいし、首も辛いしという事になっちゃうんです。

筆者:では、どうしたら良いのですか?

寺矢:パソコンの画面やキーボードは「中間」から「近く」位の距離なので、「中間」から「近く」位の距離が見やすいことをメインにしたメガネがお奨めです。これが大人のパソコンメガネです。

大人のパソコンメガネとは?

筆者:では、大人のパソコンメガネに関して教えてください。

寺矢:先ずは累進多焦点レンズの種類から見ていきましょう。

大きく分けると累進多焦点レンズは3種類あります。下記の図の左側から「遠近両用」「中近両用」「近々両用」です。

そして「遠く」にピントが合う部分を青色に、「中間部」にピントが合う部分を黄色に、「近く」にピントが合う部分を赤色にしてあります。距離的なイメージは下段を見て頂くと分かりやすいと思います。

累進多焦点レンズの種類 遠近両用 中近両用 近々両用

寺矢:この図から、パソコンの画面やキーボードを見るには、筆者さんが使っている「遠近両用」より「中近両用」か「近々両用」の方が見やすいということが分かると思います。

筆者:なるほど。「中間部」や「近く」が広くなっていますね。

しかも、「中間部」や「近く」が上の方にあるんですね。

寺矢:そうなんですよ。

では、先程、遠近両用の設計を重ねてみた写真に、今度は中近両用と近々両用の設計を重ねてみましょう。

左が中近両用、右が近々両用です。

メガネのアズアイム asI'm イオンモール大和 寺矢 秀吉 中近両用での目線 近々両用での目線

寺矢:先ずは、左の中近両用レンズですが、中近両用は遠近両用の中間部と近くを拡大して真ん中に持ってきたようなレンズであり、遠くは上の方にほんの少しだけ残っている程度のレンズです。

これを踏まえ、背筋を伸ばしてまっすぐ見ると中間を見る部分を目線が通るようになります。度数設定にもよりますが、中間は3~4mから50cm位の所を見る部分です。

目線を少し下に下げると、中間から近くの変わりめの部分を目線が通りますが、この目線はちょうどノート型の画面を見る距離に合っています。

さらにその下の目線が下の写真ですが、これは完全に近くを見る部分を目線が通っています。これがキーボードの距離なんですよ。

筆者:へ~、という事は、中近両用レンズはノート型のパソコンに使いやすいという事になるのですね。

寺矢:その通りです。

では、次に右側の近々両用レンズを見ていきましょう。

近々両用レンズは手元などの近くと、そのちょっと先までが見えるレンズなので、中間部や遠くは見えません。と言うか、ボケます。

目線に関してですが、先程と同じようにまっすぐ見ると、手元よりもちょっと先が見える部分を目線が通ります。これってデスクトップ型の画面までの距離なんです。

目線を少し下に下げると、手元などの近くと、そのちょっと先の変わり目くらいでしょうか。画面の下の方、もしくはキーボードの少し奥の方の距離感ですね。

さらにその下の目線が下の写真ですが、これは完全にキーボードの距離ですね。

筆者:確かに、デスクトップ型のパソコンで長時間、仕事をしている私にとっては、近々両用が一番合っているという事になるわけですね。

寺矢:正にその通りです。

遠近両用レンズの時と比べると、明らかに違いますよね。

大人のパソコンメガネは、どういうパソコンを使っているか、どのくらい距離なのか、使う時の姿勢は、どのくらいの時間使っているのか等、個人個人の状況に合わせて作らないと意味が無いのです。

筆者:理解しました。大人のパソコンメガネ、いいですね~。

念の為お聞きしますが、デメリットみたいなものはありますか?

寺矢:ありません!と言いたいところですが、人によってはデメリットに感じる部分もありますので、次にご説明していきましょう。

大人のパソコンメガネのデメリット

寺矢:デメリットに関してご説明します。

先ずは、ノート型にお奨めの中近両用レンズですが、遠くはあまり見えません。遠くが見える場所も極端に狭く、上の方にちょこっと残っているだけなので車の運転も禁止です。

普段、遠近両用レンズを使っている方が初めて中近両用を掛けると、遠くがボケることが気になります。

でも、裸眼と比べるとよっぽど見えますし、慣れた環境、例えば事務所やご自宅、店舗の中などでは、遠くが1.2とか1.5とかまで見えなくても、危なくないと思いますし、歩き回るには十分です。

筆者:慣れという事ですね。

中近両用と近々両用の見え方イメージ

寺矢:はい。見え方イメージは上の写真を見比べてみてください。

では次に、デスクトップ型にお奨めの近々両用のデメリットですが、遠くが思いっきりボケます。数メートル先のテレビも見えませんし、壁掛け時計なんかも全く見えません。元々の度数にもよりますが、遠くの見え方は裸眼に近い状態と思ってください。

筆者:中~強度近視の方にとっては、ちょっと厳しいですね。

寺矢:そうなんです。実はこの状態に慣れられない方もいらっしゃいます。

よって、あくまでもパソコン専用と割り切って使っていただかないといけないレンズです。

筆者:でも、目の疲れや首の辛さを感じているなら試す価値はあるという事ですよね。

寺矢:はい。特に最近はご自宅でリモートワークをする方が増え、そういった方は大きな画面のデスクトップ型を使うことも多くなっているようなんですね。

リモートワークをする場合、自分のペースで動けますし、周りから声を掛けられることもないですから集中してお仕事が出来るじゃないですか?

集中できるから余計に長時間、画面を見続けることになって疲れてしまうという方もいらっしゃるようで、そういう方には是非、大人のパソコンメガネとして近々両用を試して欲しいですね。

筆者:昔はノートPCを持ち出して仕事をする人も多かったように思いますが、確かに最近は変わってきたのかも知れませんね。

寺矢:そうですね。メガネのアズアイムでも最近は近々両用でパソコンメガネを作る方が増えています。

筆者:お客様の反応はどうですか?

寺矢:近々両用は、先程ご説明したデメリットがあるので、向いている方、向かない方がいらっしゃいますが、必ず見え方・使い方体験をして頂いてから決めるので、近々両用を選択する方が増えているように感じます。

中には考えていたより凄く喜ばれることもあり、嬉しい反面、正直驚いています。

筆者:そんなにですか?

寺矢:見やすいとかラクとか体が辛いというのは個人個人の感覚的なものなので、保証できるものではないのですが、大きな画面のデスクトップパソコンを使われている方には近々両用の方が向いているようですね。

筆者:面白い発見ですね。近々両用は発売されてからずいぶん経つのに。

寺矢:そしてもう一つ。若い方にも喜ばれることが多いです。

大人のパソコンメガネとしてご説明した対象年齢からは外れてしまうのですが、20代から40代の若い方でも、パソコンを「長時間」使う方には近々両用が向いているみたいですね。

筆者:単なるブルーライトカットレンズよりも効果があるという事ですね。

寺矢:はい。タイプ選択と度数調整が必要ですが、「長時間」のパソコン作業は大変疲れるので、補助の意味で使うと効果を感じられるようですね。

若い方でも疲れ目で悩んでいるようであれば、是非、お試しいただきたいです。

大人のパソコンメガネを実際に作るには?

筆者:どのようにお願いしたらよいですか?

寺矢:もちろん、パソコンの種類、テーブルの高さ、パソコンを置く位置、パソコンを使う姿勢によっても変わってしまいますので、パソコン作業をしている写真を横から撮影してご持参して頂くのが良いと思います。

また、いつもパソコンをやっている姿勢で、眼からキーボードまでの距離と、眼から画面までの距離を測ってきていただけると非常に有り難いです。

筆者:店舗でも測れますか?

寺矢:もちろん店内でも測れますよ。

でも、いつもと同じ状況を完璧に作り出すことは出来ませんので、写真があると大変、参考になります。

メガネのアズアイム asI'm イオンモール大和 寺矢 秀吉

フレームに関して

筆者:レンズの話が中心になってしまいましたが、カッコいいフレーム使っていますね。フレームに関してもご説明して頂けますか?

寺矢:はい。フレームはジャポニズム(JAPONISM)のJS-151、3番カラー、48サイズです。このジャポニズムは、福井の職人さんが一本一本、丹精込めて作ったメガネなんですよ。

写真では分かりませんが、テンプルの先の耳に当たる部分が槌目(つちめ)になっていて、そこも気に入っちゃいました。

メガネのアズアイム 秀吉 ジャポニズム JAPONISM JS-151

筆者:槌目(つちめ)って何ですか?

寺矢:ジュエリーの表面処理や、銅のお鍋になんかを思い出していただけると分かりやすいのですが、ハンマーで叩いたような模様の事です。日本の技術が詰まった、物づくりに対する思いみたいなものを感じてしまいました。

筆者:メガネでは珍しいですよね?

寺矢:そうですね。

あと、小ぶりのウェリントンが欲しかったのもありますし、ブローというマユの部分が強調されたメガネも欲しかったので。

メガネのアズアイム asI'm イオンモール大和 寺矢 秀吉

筆者:何かの意味や効果があるのですか?

寺矢:ウェリントンは真面目そうな感じに見られやすいのですが、大きいと野暮ったいイメージもあるので、小さいものを探していたんです。これくらいの大きさなら、カジュアル感もありますし。

また、マユの部分が強調されたメガネというのは真面目な感じを強調しますし、安心感もあるように見られます。

8月から新しく店長を務めさせて頂くことになりましたので、少しでも安心感というか、信頼感を出せればと思って使っています。

筆者:とても丁寧に分かりやすくご説明して頂き、有難うございました。

パソコン作業による疲れ目や、首の辛さでお困りの方は、事前準備をしてasI’mアーベイン 寺矢店長にご相談してみてください。

尚、フレームに関しては、第2回でご紹介した美魔女さんにご相談いただくのもお奨めです。

「メガネ屋さんが掛けているメガネ」… 第2回 美魔女さんのメガネ


  

メガネのアズアイム asI'm イオンモール大和 寺矢 秀吉

asI’mアーベイン メガネのアズアイム

神奈川県大和市下鶴間1-2-1イオンモール大和3F

TEL:046-200-0316

HPアドレス:http://www.asim-yamato.com/