レンズのはなし疲れ目対策

度付サングラスの作り方(元々の目の状態が近視の方に)

遊びに行った先で日差しが眩しい時など、ついついサングラスが欲しくなってしまいますよね。でも、近視で遠くが見づらい人は度が入っていないサングラスは使えないので、今回は、予め度付きのサングラスを準備する方法をお伝えします。

遠近両用の度付サングラスでダイヤモンド富士を撮影

表紙の写真は、遠近両用レンズをベースに可視光調光偏光という最新の調光機能を付けた、近視で裸眼視力0.05という筆者の外出用メガネ&サングラスです。

調光レンズの一種ですので、紫外線を浴びて色が付いているのがお分かりいただけると思いますが、これが屋外でサングラスに変化した状態です。

また、あえてメガネで見た時の見え方を写真に撮りたくて、レンズを通して見ているダイヤモンド富士にピントを合わせて撮影していますので周りはボケています。

このように、近視の人は近視の補正をするレンズをベースとしたサングラスが必須となるのですが、元の目の状態や使い方によっていろいろなパターンがありますので、順に度付サングラスの作り方をご紹介していきましょう。

度付サングラスの作り方 ① 枠の用意

先ずは当たり前ですが、レンズを入れるための枠が必要になります。

枠は元々サングラスとして販売されているものでも、メガネ用として販売されているものでも、どちらでもレンズが交換できるものであれば可能です。また、新しく購入しても、手持ちの物でも大丈夫です。

ただし、あまりにも古くなっている場合、特にプラスチック系のフレームは経年劣化を起こして素材が固く脆くなっている可能性があり、そういった場合は破損の恐れがありますのでお断りさせて頂くことがあります。

また、雑貨店で販売されているサングラスは、レンズが外れないように作られている場合もあり、このような枠もお断りさせて頂くことがあります。

度付サングラスの作り方 ② 枠のサイズ

サングラスとしてご利用いただく為には、日光を遮る部分が多いほど効果が発揮されるため、レンズを入れる前枠部分が大きいものがお奨めとなります。

よって、メガネフレームか、サングラスかと聞かれれば、元々大きめに作られているサングラスの方がお奨めとなる場合が多いです。

特に女性用のサングラスは大きいイメージがあるかもしれませんが、大きいのには理由があるという事です。

ただし、近視の度数が強い場合、枠を大きくすれば大きくするほど、レンズの周辺部が厚くなりますので、作製前に確認することをお奨めします。

度付サングラスの作り方 ③ 枠の形状

レンズを入れる枠の部分が一周全部覆われているものであれば、ほとんどの物は問題なく度付サングラスにすることは可能です。

レンズの側面に溝を掘って糸で吊っているハーフリムレスや、レンズに穴をあけてネジ止めしているリムレスの場合は、レンズの種類によって度付サングラスに出来ない場合もあります。

また、顔に添うような感じで湾曲しているスポーツ用のサングラスの場合は、モデルによって度付にする方法が異なりますし、普段掛けているメガネの見え方とも異なりますので、遠近両用プロショップにご相談いただくことをお奨めします。

度付サングラスの作り方 ④ 度を入れる方法

レンズは厚いところと薄いところがあることで度数が発生しますが、元々、サングラスに入っている度無しのレンズは厚みが均等で、しかも全体的に薄く作られていますので、そのレンズを厚くして度数を入れることは不可能です。

よって、無色透明な度の入っているレンズを染色して、枠に合わせてレンズを研磨し、度付サングラス用のレンズとして入れ替えてご利用いただくことになります。

度付サングラスの作り方

度付サングラスの作り方 ⑤ ベースとなるレンズ

近視の方を例に挙げると10代から40代半ばくらいの方は、近視用の単焦点レンズを染色するか、偏光や調光といった機能レンズを選択するかになるでしょう。

40代半ばを過ぎると近くが見づらい老眼の症状が出てきますので、そういった場合は遠近両用をベースとして染色するか、偏光や調光といった機能レンズを選択することが多くなります。

元々の目の状態やどういう風に使いたいかによって、ベースのレンズも染色か、機能レンズを選択するかも異なりますので、これも遠近両用プロショップにご相談するのが良いと思います。

度付サングラスの作り方 ⑥ 色の選択

基本的にレンズを交換するので、どんな色でも自由に色をつけられますが、あまりにも濃い色や縞模様、文字やマーク、ロゴなどは出来ません。

一般的にはアリアーテというカラーサンプルの中から色の種類と濃さを選んでいただくか、元々サングラスに入っていたレンズをメーカーに送って、見本染色してもらうかのどちらかになります。

度付サングラスの作り方 サングラスレンズイメージ

度付サングラスの作り方 ⑦ 色の効果

・グレー系

光を平均的にカットしてくれる色なので、眩しさを抑えつつ自然な見え方になります。比較的どんなフレームにも合わせやすく、初めての度付きサングラスに最適です。濃い色は快晴時のドライブやマリンスポーツにも最適です

・ブラウン系

眩しさを抑えつつ暗くなりすぎないという特徴があり、コントラスト効果もありますので晴れ~曇りの日のドライブやゴルフなどのスポーツに使いやすいです。日本人には肌馴染みが良く、グレーより柔らかい印象を与えるので女性に人気のカラーです。

・グリーン系

眩しさを抑えつつコントラストも下げすぎないので自然な見え方ができます。眼に飛び込んできやすい青や赤の光をほどよく抑えるので目が疲れにくく、長時間の使用にもお奨めです。最も有名なサングラスである「Ray-Ban(レイバン)」で昔から使われている色です。

・ブルー系

人が眩しさを感じやすいイエロー系の光をカットしてくれるため、目が疲れにくく、長時間の使用にも向いています。赤・青・緑といった色を鮮やかに見せてくれる効果もあり、スポーツだけでなく、旅行やドライブにもお奨めです。

・ピンク/レッド系

ピンク系のレンズはコントラストをはっきり見せる効果があるため薄暗い場所での使用に効果的ですが、濃い色を選択すると目が疲れやすくなる場合もあります。逆に、薄い色は肌の血色をよく見せてくれるので、健康的な印象を与えられることも多く、女性に好まれる色です。

・イエロー/オレンジ系

イエロー系のレンズは眩しさ対策ではなく、視界を明るく鮮明にするためのレンズであり、本来、曇りや雨の日、薄暗い夕方や夜間などに効果を発揮するレンズです。ファッションの一部として使用される方も多いですが、明るい環境での使用は逆に眩しさを増大させてしまいますので注意が必要です。

度付サングラスの作り方 ⑧ 色の濃さ

色が濃いサングラスは、屋外の日中で使う「眩しさ対策」のサングラスです。

逆に、色が薄いサングラスは、室内や街中などの日常生活に使う方が多く、若干の眩しさ対策も兼ねていますが、基本的には「メガネの一種」といった感じです。

度付サングラスの作り方 ⑨ 機能レンズ

サングラスに興味がある方なら一度は聞いたことがあるかもしれませんが、一般的な機能レンズは「偏光レンズ」「調光レンズ」です。

簡単に言うと「偏光レンズ」は路面、水面、雪面等で反射したギラギラした反射光を遮ることで、眩しさ対策、ストレス対策、疲れ目対策等を行うレンズになります。視認性やパフォーマンスの向上も期待できることからキングオブサングラスとも言われ、愛用者が多いサングラスレンズです。

対して「調光レンズ」は紫外線を受けると化学反応を起こし、レンズの色が濃く変化するレンズであり、一本のメガネでメガネとサングラスの両方の使い方が出来ることから、普段からメガネを掛けている方に人気が高いレンズです。

偏光レンズ 調光レンズ 度付サングラスの作り方

その他の機能レンズとしては、夜間ドライブ用の「ナイトアシスト」という濃い黄色のレンズや、普段掛けも可能で黄色い光をメインにカットしてくれる「ネオコントラスト」、無色なのに眩しさをカットしてくれる「ビュイ(レクアメッシュ)」等があります。

度付サングラスの作り方 ⑩ どこで作ればよいか?

度付きサングラスを作るならメガネを作った眼鏡専門店が一番です。眼鏡専門店であれば度数等のデータも残っていますし、普段使いのメガネとの見え方比較も可能です。

また、各種サングラスレンズのサンプルを持っていますので、買う前にいろいろ体験することが出来て安心です。

度付サングラスの作り方 ⑪ 日数的にはどれくらい?

サングラスの形状や度数によっても変わりますが、単焦点レンズの場合は3~5日位、遠近両用レンズの場合は7~10日間程度の日数が掛かります。

よって、遊びに行く予定がある場合は、慣らし期間も踏まえて2~3週間前までに作製を依頼したほうが良いでしょう。

特に遠近両用レンズをベースとして車の運転に使いたい場合は、見え方・使い方に慣れるまでに数日の練習期間が必要となりますので、その日数を加算して予定組みされることをお奨めします。


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