※ お願い
災害に関するお話を紹介しています。このため、ご覧になった時に精神的なストレスを感じられる方もいらっしゃる可能性があります。ご自身の判断にてご覧いただきますようお願いいたします。
はじめに
もし、近視で遠くが良く見えない人が避難しようとした時にメガネが無かったらと考えるとゾッとしませんか?
いざと言う時に逃げようにも足元が見えないとめちゃくちゃ危険ですよね。運よく外に出られたとしても遠くが見えないと車の運転もままなりません。
さらに、お手元が見づらくなり老眼鏡が必要になっている方は、老眼鏡が無いと情報弱者になる可能性があります。こちらも大きな問題やストレスになる事が考えられます。
人が情報を得る知覚の割合は、視覚83%、聴覚11%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚は1%と言われています。
実に8割は目から得る情報なのです。
この割合だけを見ても重要性に気づいていただけるかもしれませんが、より深くご理解いただくために、事例紹介と被災された店舗の方々の経験談をご参考にして頂きたいと思います。
「防災・災害用メガネ」の重要性 事例紹介
●津波に巻き込まれてしまった方の体験談
「普段からいつもメガネを掛けているから、わざわざ予備メガネを用意しなくても大丈夫ですよ」。
ほとんどの方がそうお考えになると思います。
確かに間違ってはいません。筆者もそう思います。しかし、東日本大震災で起こった事例から考えるとそうも言い切れなくなります。
<事例>
津波に巻き込まれてしまった方の体験談ですが、津波に巻き込まれ九死に一生を得た時、掛けていたメガネは流されてしまったそうです。
しかし、非常用持ち出し袋のリュックの中に、ハードケースに入れておいた予備メガネは無事だったそうで、避難生活を無事に送ることが出来たそうです。
●家財道具の下敷きになってしまった方の体験談
普段、寝るためにメガネを外した後、どういう保管をしていますか?まさかメガネをむき出しのまま枕元に置いていないですよね?
メガネスタンドに入れているという方もいらっしゃるようですが、実は阪神淡路大震災の時にこんな事例が報告されました。
<事例>
阪神淡路大震災が発生したのは朝の5時46分、まだ寝ている方も多い時間です。
その方は眼鏡店でもらったハードケースに入れて枕元に置いていたそうですが、倒れた家財道具の下敷きになってしまったそうです。何とか倒れた家具をどけてメガネケースを引きずり出した時、ハードケースに入れていたので無事だったそうです。
もし、むき出しで枕元に置いていたら、逃げることが出来なかったかもとおっしゃっていました。
●コンタクトレンズ使用者の体験談
地震や台風、集中豪雨といった災害時に起こる停電や断水。普段の生活が送れなくなったときは非常に困りますよね。私達、目の悪い人に起こる二次的な災害として、断水時はコンタクトレンズを使っている方は要注意です。
<事例>
使い捨てコンタクトレンズを使っている方のお話ですが、予備のコンタクトも持っていたので特に気にしていなかったそうです。
ただ、手が汚れていたそうです。泥とホコリと汚れた水分で爪の間まで黒くなっていたそうで、コンタクトレンズを外す時、目に指を入れていいものか、かなり迷ったそうです。
同じように目に入れる時も汚れた指でコンタクトレンズを目に入れることが危険なのはお分かりいただけますよね。停電で真っ暗だったり、怪我をしている場合も着脱が困難になる事が考えられます。
これらの事も考えられるので、コンタクトレンズを使っている方でも、予備メガネが必要になるのです。
「防災・災害用メガネ」被災された店舗の経験談
\岩手県二戸市 メガネの浪岡 浪岡正行様/
二戸市は40キロ近く内陸に入った土地なので津波の被害はありませんでしたが、建物の倒壊や道路のひび割れ、停電、断水等があり、多くの方が長い間、避難生活が続いた地域でした。
避難所では着の身着のまま逃げ出したお年寄りの方も多く「老眼鏡はありませんか?」と聞かれることもありました。
メガネを使っている方なら誰しもがわかる事なのですが、他人のメガネって度数が合わないので使えないことが多いのですが、それでも聞かれたという事でしたので、よほど切羽詰まった状況だったのかもしれません。
自分達に出来ることは無いかという事で、店舗にあった老眼鏡を無料配布させて頂きました。また、地域のお客様や、サンクス・オプティカル・グループに加盟している全国の眼鏡店仲間からからお預かりした中古メガネの配布もさせて頂きました。
役所から回ってくる書類に目を通すにも老眼鏡は必要です。
若い方は電源さえ確保できれば携帯電話で情報収集することが出来ましたが、近所に住んでいるおじいちゃんおばあちゃんはそうはいきません。
一番の問題は、老眼で文字を読むことが難しくなっている方々が情報弱者になってしまう事です。それだけは避けたかったのです。
また、コンタクトケア用品の配布も行いました。
断水時は手を洗うことも出来ず、コンタクトレンズだと何かと不便があるようです。
自店もしばらくの間、救援物資の一時保存所となり、仕分け作業に追われる日々を過ごしましたが、メガネの調整に来られる方が多かったのも印象的でした。
当時は有りませんでしたが、マスクだけでなくフェイスシールドもあったほうが良いと思いました。メガネを買い替えた際は、古いメガネを車のグローブボックスに入れたり、非常用持ち出し袋に入れたりすることも重要だと思いました。
メガネの浪岡
岩手県二戸市福岡字落久保14
→お店へのアクセスはこちらから!
TEL:0195-23-5201
\岩手県盛岡市 メガネの松田 松田俊記様/
当店がある盛岡市は海から80km ほど内陸にあり、津波の被害はありませんでした。幸いにも2日後にはライフラインも復旧し沿岸へのボランティアが出来る余裕が出来ました。
当店は20 年以上、ネパールでメガネボランティア活動を行って参りました。日本国内で不要になった中古メガネを頂戴し、綺麗に磨き直し、現地で視力検査を行って、ネパールの眼鏡店へレンズを注文し、リニューアルしたメガネとしてネパールの方にお渡ししてきました。
東日本大震災の時にはこの経験が大変役に立ったのです。
当時30か所以上避難所を周りましたが、メガネや老眼鏡を津波で流された方が沢山いらっしゃいました。
運転用メガネを車に入れっぱなしで車ごと流されてしまい、その後、拠点間の物資運搬等で車を運転したくてもメガネが無くて運転できずに困っているという方もおりました。
当時は避難所も停電で視力検査をすることが出来ず、ネパールボランティア用に保管していたメガネを試着してもらい、間に合わせということで一番見やすいものをご提供いたしました。老眼鏡を提供させていただいたおばあ様が『これでやっと主人の死亡届を出せる』と笑顔になられたのはなんとも言えない気持ちになりました。
もう一つ、忘れられないのが「砂埃(すなぼこり)」や「粉塵(ふんじん)」の凄さ。
津波の後片付けの際、運ばれてきた泥が乾いたことにより、あまりにも砂埃が凄くて目が開けられなかったのを覚えています。鼻をかむと砂がジャリジャリ出てきたのも衝撃的でした。
震災後、眼科には粉塵で目を傷めた方がたくさん来院されたそうです。皮膚にピタッとつくゴーグル、もしくは花粉用メガネ等があったら良かったのにと思いました。
また、コンタクトレンズを外せなくて困っている方も多かったです。
予備がないので1Day を一週間以上つけっぱなし、2Week を外そうにも保存液、ケースは手元にありません。根本的に水道も止まっていたので、手が洗えないのもネックになっていました。 どこまで準備すればよいのかは難しいと思いますが、コンタクトレンズの方は、防災袋に予備コンタクト、ケア用品、予備メガネを用意しておくことも重要だと思います。
メガネの松田
岩手県盛岡市大通1-7-1
→お店へのアクセスはこちらから!
TEL:019-651-4104
→お店のHPはこちらから!
\宮城県大崎市 メガネのプラザDo 鈴木律子様/
当時は壁が剥がれ、看板も落ち、建物はひび割れだらけでした。
機材もほとんどが倒れて破損してしまいました。
停電と断水も続いていたので仮店舗を考えましたが、数日後に電気が通ったことで“今まで通り”ではないものの、何とか同じ場所で営業を再開することができました。
ビニールシートで覆った店舗に、メガネの破損や紛失されてしまった方が来店されるたびに、メガネが生活必需品であることを再認識させられました。
来店される方以外にも、避難所等で老眼鏡が手元になく、お困りの方が多くいらっしゃると耳にしました。
連日のように気仙沼や石巻、南三陸方面に行かれる知り合いの業者の方にお願いし、在庫していた既製の老眼鏡を届けて頂きました。
サンクス・オプティカル・グループからお話しを頂き、会員の皆様から沢山の既製老眼鏡をご提供頂きましたことは本当にありがたかったです。
他にも、目を保護するゴーグルも重宝されました。
大崎市は幸いにも津波被害がなかった為、ボランティアの方や被災援助に携わる方々の宿泊拠点となっていました。
随分長い間、遠方から多くの方が来られていたようです。
その現場で作業される方にとって、被災地の粉塵等はとても酷く、作業に支障が出ているということでした。
早急に目を保護する道具が必要だったのです。
普段お世話になっているメーカーさんから提供していただき、ボランティアや工事に向かう方々にゴーグルを現地に届けて頂きました。
見る事も大切なのですが、目を守る事も大切だと気づかされました。
メガネプラザドゥ
宮城県大崎市古川台町4-35(古川中央眼科隣り)
→お店へのアクセスはこちらから!
TEL:0229-23-6888
→お店のHPはこちらから!
「防災・災害用メガネ」経験談まとめ
●近視の方には予備メガネ
●メガネの保管はハードケース
●老眼鏡の必要性
●1dayコンタクトは予備が必要
●1week、2weekは保存液と保存ケースが必要
●コンタクトの方も予備メガネ
●メガネを必要としない方は花粉メガネで目の保護を
●メガネが必要な方はメガネの上に掛けられるカバーグラスで目の保護を
「防災・災害用メガネ」点検も必要です!
食料や水の消費期限を確認する時、一緒に予備メガネの点検をすると良いでしょう。
●予備メガネの点検ポイント-1
今、使っているメガネとある程度同じように見えますか?
近視の度数は変化することがありますし、老眼は65歳位まで進行します。
また、元々、予備メガネは今のメガネの前に使っていたものや、さらにもう一つ前に使っていた物の場合が多く、度数が今の見え方と大きく違っている場合も考えられます。
この場合、フレームがまだまだ使えるようであれば、今の見え方と同じように見えるように、レンズ交換しておくこともご検討いただきたいです。
●予備メガネの点検ポイント-2
ネジは緩んでいませんか?逆に固まっていませんか?
しばらく触っていないと状態が変化している場合もあります。
見え方を確認する時に、何度かテンプルを開閉しておくと良いでしょう。
「防災・災害用メガネ」花粉ゴーグル、カバーグラス
本来は花粉対策に使うメガネとカバーグラスですが、災害時の粉塵対策にも役立ちますのでご紹介します。
●スカッシーフレックスプラス
・度付き対応のフレームですので、度付きにして予備メガネにすることも可能。
・フレーム価格は税込3,850円です。
・度付きにする場合のレンズ代金は別途となります。
●スカッシースタイル
・度付き非対応ですので、目の良い方にお奨めです。
・フレーム価格は税込1,980円です。
●カバーグラス
・メガネを掛けた上に掛けるタイプのメガネです。
・普段から眼鏡を使っている方にお奨めです。
・サングラスとしての使用も可能です。
・レンズの種類によって価格が異なりますが、税込5,500円~11,000円位のものが多いです。
「防災・災害用メガネ」度数調整が可能なメガネがあります!
これはご自身が使うものと言うより、周りの人を助けるアイテムという使い方の方が合っているかもしれませんが、度数を調整できるメガネがありますのでご紹介します。
種類は「遠視&老眼用のドゥーアクティブ」、「近視&遠視&老眼用のドゥーライフワン」の2種類です。詳細は下記をご参照ください。
●ドゥーアクティブ
・遠視&老眼用の度数です。
・横のつまみを回すだけで+0.50 ~+4.00の範囲内で度数調整が可能です。
・乱視には対応していません。
・価格は税込7,980円です。
・フレームの色はバイオレット、グレー、エメラルドの3色です。
・拡大鏡としても使えます。
●ドゥーライフワン
・近視&遠視&老眼用の度数です。
・横のつまみを回すだけで-4.00 ~+5.00の範囲内で度数調整が可能です。
・乱視には対応していません。
・価格は税込5,478円です。
・フレームの色はブラック、ワイン、クリアの3色です。
「防災・災害用メガネ」に便利なアイテム
防災や災害の専用ではなく普段使いも出来るアイテムですが、あると便利で安心なものをご紹介します。
●2本保管できる便利なハードケース
使い方いろいろ、鞄の中がスッキリ、旅行にも最適
使い方(例)
・予備メガネと予備の老眼鏡を入れておく
・自分のメガネと家族のメガネを入れておく
・通勤用と仕事用を一つのケースで
・メガネとサングラスを一つのケースで
・メガネとコンタクトケースや目薬などの小物を収納
写真上から
アルミレザー2ピースケース:参考価格1,430円
TRYBOX バイカラー2本入りケース:参考価格1,760円
ウレタンセミハード2本入りケース:参考価格880円
●暗闇で光る蓄光メガネケース&メガネスタンド
鞄の中や就寝時に直ぐに見つかる便利なケースです。
写真上から
メタルハード:参考価格990円
メタルハード:参考価格880円
蓄光メガネスタンド:参考価格1,100円
<備考>
花粉対策に使う「花粉用メガネ」とメガネの上に掛ける「カバーグラス」、調整可能なメガネ「ドゥーシーリーズ」、及び「2本入りメガネケース」、「蓄光メガネケース」の店舗でのお取り扱いの有無は、事前にお電話等でご確認いただくことをお奨めします。