\取材にご協力いただいた遠近両用プロショップ/
共文堂〜メガネ・補聴器の専門店〜 代表 宇野 正彦さん
裸眼でも、日常生活で不便を感じていなかった
近視だけれど普段は裸眼で生活していて、近視用のメガネは持っているものの、舞台や映画を鑑賞するときにしか使っていない…。30年ほど前に作ったメガネで、眼鏡店でのきちんとした測定はそれ以来行っていませんでした。
もともと手持ちのメガネの使用頻度は低く、コロナ禍で舞台や映画にも行けなかったため、1年以上ケースから出すことすらありませんでした。
裸眼での生活では遠くのものが見えにくい不便さは感じていますが、近くのものはよく見えるため、老眼特有の手を伸ばして小さな文字を読む動作はありません。
だからといって老眼の症状がないわけではなく、若い頃にはできた、間近のものにピントを合わせることができなくなっています。老眼と近眼がどの程度進行しているのか、メガネを作ることで視界にどんな変化があるのかを調べてもらいました。
▼スタッフSのメガネプロフィール▼
・58歳、女性
・30年前に近眼用メガネを1本購入
・それ以来、眼科やメガネ店で視力測定はしていない
・仕事はライター、編集者
・日々8時間程度のパソコン作業をするが、日常は裸眼で生活
・メガネを掛けるのは、舞台や映画鑑賞をする時だけ
1.カウンセリング:個人の生活様式を知るところから始まる
視力測定の前にまずは年齢や仕事の種類、1日のうちPC画面を見る時間はどのくらいか、生活の中で「見え」についてどのような点に不便を感じているかなどを眼鏡士さんに答えていきます。
こちらからは、
●パソコンや読書など近くを見るのにさして不便は感じていない。
●駅の行き先表示や電車の中吊り広告、街中の看板などの文字はほとんど読めない。
●外で知り合いに会っても近くに来るまで誰か判別できない。
といったことを伝えました。
眼鏡士さんは、私の回答から「見えにくいことで困っていること」と「あまり問題ではないこと」の境界線を探っていきます。
また、近視になってどのくらい経つのか、老眼を意識したのはいつごろかなども会話にさりげなく織り込まれていました。
さらに、手持ちの古いメガネの用途や使用頻度、掛け心地についても質問されました。現在使用しているメガネは、主に観劇や映画の字幕を読むために使っていたので、座席に座った状態でしかかけることがなかったこと、距離感がつかみにくく歩くと段差などにつまづくことがあるので、「掛けたまま歩くことはない」といったことをお伝えしました。
眼鏡士さんとお話をしていくうちに、裸眼での生活は色々と不便だったことに気づかされました。
2.各種測定:左右の見え方のバランスをしっかり測る
①視力測定
通常の視力測定のほか、測定機器を使って焦点距離や視野を測ったり、左右の目のバランスを測定するなどして最適なレンズのための情報を収集していきます。視力は右が0.1、左が0.05と左右がちょっとアンバランスな近視でした。下の写真のように色々な指標で見え方確認を、説明しながら行ってくれます。(私の理解が間違っていたらゴメンなさい。)
②見え方のチェック
次にテストレンズを使って、見え方の確認をしていきます。
左右それぞれの目にレンズを入れ替えながら、
●どちらの見え方が好ましいか
●テレビ画面やタブレット、雑誌などを見て快適に読めるレンズはどちらか?
●PC画面や新聞などに目を通すときの姿勢
などもチェックしていきます。
3.レンズ選び:「遠近両用」「中近」「近近」 こんなにもレンズの種類があるって知らなかった!
今回、30年ぶりにメガネ店を訪れたこともありレンズにも色々な種類があることに驚きました。「遠近両用レンズ」だけは聞いたことはありましたが、「中近レンズ」「近近レンズ」にいたっては、その存在すら知りませんでした…。
ここで、簡単にそれぞれのレンズについてご紹介します。
●遠近両用レンズ
手元から遠くまで快適に見渡すことができるので、メガネをかけ替えることなく常用できるレンズ。運転や旅行、散歩やスポーツ観戦などアクティブな毎日を支えてくれる頼もしいレンズです。
●中近レンズ
室内での使用に適したレンズで、オフィスやリビングでの作業をラクにしてくれます。パソコンでの仕事やテレビの視聴、料理やガーデニングなど日常生活の視界を快適にするレンズです。
●近近レンズ
手元の視界をクリアにしてくれるデスクワーク用レンズ。読書や書きもの、パソコンでの作業や編み物など至近距離での細かな手仕事を長時間する方に適しています。
さまざまな測定やテストの結果、今回は「中近レンズ」のメガネを作成することに決定。私の場合、すでに近視用のメガネがあるので、遠くのものを見るのは手持ちのメガネでことが足りたため、それ以外の視野エリア、手元を見るときやパソコン作業をするときに快適なレンズが必要だと判断されました。
4.フレーム選び:頭部の骨格で似合うメガネが変わる!
メガネはファッションの一部でもあるので、女性にとってフレーム選びは楽しいプロセスです。好みのデザインや色合い、素材から選んでいきますが、フレーム選びに直接的に影響するのが頭部の骨格です。
頭囲やこめかみの幅、鼻骨の高さなど、メガネフレームの各パーツが接する部分の形状によって、掛け心地にダイレクトに関わってくるので、自分が好きなデザインと似合うデザインは必ずしも一致するとは限りません。意外なデザインのフレームが似合ったりもするので、試着はさまざまなデザインタイプから多めに選出し、念入りにチェックした方が良いでしょう。
私の場合は、こめかみに張りがあり顔の横幅が広いので、レンズ幅が大きめでテンプル(つる)が外側に開くタイプのものが掛け心地がよかったです。
掛け心地がバツグンに良かったフレームは、デザインがちょっと私向きでなかったため、もう少しカジュアルに掛けられるフレームで、少し洗練されたデザインも感じられる「ローラアシュレイ」のフレームを選びました。比較的掛けやすいウエリントンのデザインにブルーのマーブル生地が美しいフレームです。
掛けやすさと見え心地をアップさせる為に、なんと、鼻当て部分を金属のパーツに変更していただき微調整が可能になりました!さすが、遠近両用プロショップですね!
5.レンズのオプション選び:進化系レンズのいろいろ
レンズの選択肢にもいろいろあり、ノーマルな透明レンズから淡い色の入ったタイプ、偏光グラス、ブルーライトカットなどから選ぶことができます。
専用アプリを使ってタブレットでのシミュレーション画像を確認しつつ、レンズカラーをセレクトすることができます。気に入ったフレームをかけた状態で撮影し、レンズ部分にカラーを入れた状態をシュミレーションすることができます。
「使いにくい」と思っていた古いメガネが、快適なメガネによみがえった!
今回、持参した古い近視用メガネが今の視力に合っているかも調べてもらったところ、意外にも視度にズレはなく、まだ使えるとのことでした。
合わなくなっていると感じていたのは各部の緩みとブリッジの形状によるものだと判明。2つのレンズの間にあるブリッジに、樹脂製のアダプターを取り付けることでフィット感を高めると、見やすさが格段に上がりました。
「中近レンズ」のメガネを掛けたら、パソコンに向かう姿勢が良くなりました。
これまで日常生活でメガネを掛けて過ごした経験がなかったのですが、パソコンに向かう姿勢が良くなることに驚きました。近くのものは見えていると思っていても、背筋を伸ばした状態で画面を見ると、メールの文字は見えにくくなることから、知らず識らずのうちに前傾姿勢になっていたのです。
自分に合ったレンズを選ぶことで、無理なく良い姿勢でPC画面の文字を読むことができるようになりました。また外出時にも看板や人の顔が良く見えるので、とてもラクです。
今後、この中近レンズのメガネを掛けて、どのような変化があったかをまたレポートしてお届けしたいと思います。
↓その後、約1ヶ月使用したレポートは以下から確認できます!
1カ月間「中近レンズ」を使ってみたら、いいことだらけだった!
「メガネ・補聴器の専門店 共文堂」さんをご紹介します。
今回、取材でお世話になった「メガネ・補聴器の専門店 共文堂」さんは、日本眼鏡技術者協会のSS級認定眼鏡士であり、メガネだけでなく、テクノエイド協会認定補聴器技能者という補聴器の資格も保持されているいるお店です。
使用目的にあわせた快適なメガネ選びができるよう、店内には生活シーンにあわせた体験コーナーがあります。
▼その他のおすすめポイント▼
メガネ・補聴器の専門店 共文堂
住所 千葉県旭市ロ-915
TEL 0479-64-1146
営業時間10:00~19:00
定休日 毎週水曜日
http://kyobundo.net/
メガネやメガネレンズにお困りの方はお近くの「遠近両用プロショップ」へ。こちらの「ご相談・お問い合わせフォーム」からお気軽にご相談ください。