瓶底めがねとは?ぐりぐりめがねとは?
一般的には近視の度数が強くて、しかも丸い形をしたメガネを指す言葉です。
近視のメガネは度数が強くなると、レンズの周辺部にぐるぐると円を描いたような影が映り込むのですが、この状態で丸い形をしたフレームと組み合せると、牛乳瓶の底のように見えることから「瓶底(びんぞこ)めがね」と言われるようになったようです。
昔から言われている言葉で、近視の人からするとあまり良いイメージが無い為、気にされる方は非常に多くいらっしゃいます。
ただし、最近は「ぐりぐりめがね」とも言うようです。
漫画とかアニメ・イラストの世界では、レンズ周辺部のぐるぐると円を描いたような影をデフォルメして渦巻きのように記載することがあり、ぐるぐると円を描いたような形から「ぐるぐるめがね」、そして「ぐりぐりめがね」になったみたいです。
「瓶底めがね」と「ぐりぐりめがね」、比べてみると「ぐりぐりめがね」の方が可愛いらしい響きなので、もしかしたら「瓶底めがね」と言う言葉が薄まるチャンスなのかもしれませんね。
“おもちゃ”の瓶底めがねの仕組み
子供の頃に友達のメガネを借りて掛けた時、クラクラしてまともに見えなかったという経験がある方も多いと思いますが、“パーティーグッズ”や“おもちゃ” の瓶底めがねってどうして掛けられるのだろうかと思ったことはありませんか?
本来レンズというのは、前面と後面のカーブの差で度数が作られているのですが、“おもちゃ”の瓶底めがねのレンズの中心部(黒目の前の部分)は真っ平らになっていて、度数が入っていないので誰でも掛けられるようになっているのです。
ただし、周辺部は近視のメガネレンズよりも強いカーブになっているので、この部分を通してみると物が歪んでしまいまともに見えません。
よって、歩き回るのは危険となる場合もありますので注意が必要です。
瓶底めがねの原因と改善方法
瓶底めがねの原因は、レンズの厚さと周辺部に出来る渦(うず)という事になりますが、もし、少しでも目立たなくなる方法があったら試してみたいと思いませんか?
近視は度数が強くなると、どうしても周辺部が厚くなり渦も出来てしまいますので、完璧な対処ではないのですが、出来るだけ目立たなくする方法がいくつかあります。
尚、同時に出来るものもありますので、メガネを作る時は眼鏡専門店の遠近両用プロショップにご相談して頂けると良いと思います。
瓶底めがねを目立たなくする方法 … レンズの屈折率、設計
先ずはレンズの屈折率や設計のグレードを上げて薄く仕上げることが一般的な方法です。
レンズの屈折率は、1.50、1.60、1.67、1.74と数字が大きくなればなるほど仕上がりが薄くなります。
設計のグレードに関しては、基本が球面設計、薄型が非球面設計、最も薄くなるのが両面非球面設計となります。 この屈折率と設計の組合せを選択して薄くしていくのですが、同時にお値段も高くなりますのでお財布とのご相談になるかもしれません。
因みに上の写真は2枚とも近視の方が使うレンズのS-10.00というかなり強い度数で、左側が1.60の非球面設計、右側が1.74の非球面設計です。
屈折率が変わることで、かなり薄くなるのが確認できると思います。
瓶底めがねを目立たなくする方法 … 薄型加工(アシスト)
薄型加工はレンズの耳側の端(角)の部分を大きく削って薄く見せる加工です。
あくまでもレンズを削って薄く見せる加工ですので、レンズ自体が薄くなる加工ではありません。また、一度削ってしまうと元に戻すことは出来ませんので、予め、ご了承いただくことが必要です。
でもこれ、意外と薄くなっているように感じませんか?
カットした部分は白くなってしまうのですが、綺麗に磨けば透明にすることも可能です。そうすればより見栄えは良くなります。
ただし、磨いた面に光が当たると乱反射してギラギラする場合もありますので、これも予めご了承いただく必要があります。
瓶底めがねを目立たなくする方法 … レンズの大きさ
近視のレンズは中心部が薄く周辺部が厚くなるレンズですので、より中心部に近い場所だけを使って作ることで、薄く見せるという方法があります。
単純に言うと、大きいフレームより小さいフレームの方が薄く仕上がるという事です。
ただし、レンズが小さすぎると視野が狭くなりますし、横幅が足らずに掛け心地の調整が上手くできない場合もありますので注意が必要です。
ブリッジが広いものや、ヨロイの張り出しが大きいフレームを選ぶことである程度は解消されますが、この辺りはお客様が判断するのは難しい内容になりますので、遠近両用プロショップの販売員にご相談いただく方が良いでしょう。
瓶底めがねを目立たなくする方法 … レンズの位置
上記のレンズの大きさと同じような内容になりますが、レンズの中心とフレームの横幅の中心の位置を合わせる方法があります。
この方法を使うと、鼻側と耳側のレンズの厚さが同じになりますので、結果的に薄く見えます。逆に、中心が大きく鼻側に寄っていると耳側が厚くなってしまいます。 この辺りもお客様が判断するのは難しくなりますので、遠近両用プロショップの販売員にご相談いただく方が良いでしょう。
瓶底めがねを目立たなくする方法 … フレームの形
レンズの大きさの説明の所で、大きいフレームより小さいフレームの方が薄く仕上がるとお伝えしましたが、これはフレームの横幅に関する内容でもあります。
横幅が大きなスクエアより、ボストンやオーバル、ラウンドの方がレンズを使う幅が狭いので、結果的にレンズの厚みも目立たないということになります。
フレームの見た目を合わせた場合と、フレームの横幅を合わせた場合の二つを図にしてみましたので、レンズのどこまでを使うかを比較してみてください。
瓶底めがねを目立たなくする方法 … フレームの太さ
これは見た目の問題なので、実際の薄さには何も関係がありませんし、ましてや渦が消えることもありませんが、意外と薄く見えてしまう方法の一つです。
下記の図はメガネを横から見たイメージですが、下段を見比べて頂くとレンズの周りに何も無い枠ナシフレームが一番、レンズが厚く感じますよね?
逆にフレームが太いプラスチックフレームはレンズが薄く見えるので不思議です。 単純に上から線を重ねただけなのに効果を感じられるので、実際のフレーム選択時にも使える技なのです。
瓶底めがねを目立たなくする方法 … 頂間距離を縮める
頂間距離とは、レンズ後面から黒目までの距離の事を言いますが、この頂間距離を短くすると渦が目立たなくなるのと共に目が小さくなるのも少し改善します。
では、どのようにして距離を短くするかと言うと、一番簡単なのはメタル系のフレームからセル系のフレームに掛け替えることです。
写真で見て頂くと分かりやすいのですが、メタル系のフレームに比べ、セル系のフレームの方が鼻パッドは低くなっているので、結果的に頂間距離が短くなります。 ただし、頂間距離が変わると見え方も変わりますので慣れが必要となります。
瓶底めがねを目立たなくする方法 … ガラスレンズを選択
現在、メガネレンズは軽くて丈夫なプラスチックレンズが圧倒的多数(約99%)となっていますが、昔から使われているガラスレンズも、強度近視の方には根強い人気を保っています。
と言うのも、レンズの薄さの基準となる屈折率に関しては、プラスチックレンズが最高で1.76なのに対し、ガラスレンズが1.90まで存在するからです。
ただし、ガラスレンズは重くて割れる危険性が高いというデメリットもありますので、扱いが荒い方にはお奨めできないレンズでもあります。
項目ごとにプラスチックとガラスを比較してみましたので参考にしてください。
最後に
瓶底めがねを目立たなくする方法をいくつかご紹介させて頂きましたが、ご本人様の目の状態や作りたいメガネの種類、いつ使うのか、どのように使いたいのか等によって、何を選択するべきかは大きく違ってきます。
メガネを作る際は、「薄く仕上げて見栄えを良くしたい」、「渦を出来るだけ目立たなくして欲しい」等のご要望を販売員にハッキリとお伝えいただくことをお奨めします。 また、店舗の中で度数の強いメガネを掛けている販売員に相談するのもコツかもしれませんね。
遠近両用プロショップでは、お客様の用途に合わせた快適なレンズをご提案させていただいております。特に遠近両用レンズを初めてご使用になる方。もしくは、一度試したが慣れなかった方など、是非、遠近両用プロショップへお気軽にご相談ください。