レンズのはなし老眼対策

「中近両用」で外出は出来ますか?「中近両用」で運転は出来ますか?

中近両用で外出は出来ますか?中近両用で歩いても大丈夫ですか?中近両用で階段の昇り降りは可能ですか?中近両用で車の運転は出来ますか?などなど中近両用の使い方に関するご質問が増えてきておりますので説明していきたいと思います。

中近両用と遠近両用の違いをご確認ください

下記のイラストに遠近両用と中近両用の設計、距離による目線の使い方、どこまで見えるかを比較しやすいように記載しました。遠近両用と中近両用の違いを見ながらご質問内容に関する答えをご確認いただければと思います。

中近両用と遠近両用の比較

中近両用で歩いても大丈夫ですか?

はい。可能ですが、慣れるまでは注意が必要です。

中近両用は遠近両用と同じようにレンズの下部を使って足元を見るとボケます。レンズの下部には近くを見るための度数が設定されているからです。

また、遠くを見る部分がレンズの上部にほんの少ししか入っておりませんので、遠くを見たい場合は顎を引いて上目遣いで見て頂く必要があります。 最初は歩き慣れたご自宅や事務所内等の障害物や段差が少ない場所で十分に慣らすようにしてください。

中近両用で階段の昇り降りは可能ですか?

はい。歩くよりも危険が伴いますので十分に気を付けてください。

無意識で行動すると、階段を登る時は目線が上向きがちになります。逆に階段を降りる時は目線が下向きになります。

ここで中近両用のレンズ設計を見て頂くと分かりやすいのですが、登る時の目線は遠くを見る場所を通るので意外と大丈夫なのですが、降りる時の目線は近くを見る場所を通るので怖さを感じると思います。

慣れた場所で“手すりをつかんだ状態”で練習して頂くとともに、顔の上げ下げで調整してください。

中近両用で階段の昇り降り

中近両用で外出は出来ますか?

はい。可能です。

ただし、慣れた場所で歩いたり階段の昇り降りの練習をしてからにしてください。

また、中近両用は遠くはあまり見えないような設計になっているので、元々遠くが見えない近視系の方は、見え方が不足して危険を感じることがありますので細心の注意をお願いします。

中近両用で車の運転は出来ますか?

いいえ。絶対に運転しないでください。

何度も記載していますが、中近両用は遠くが見やすい設計にはなっていませんのでお車の運転には不向きです。運転時に顎を引きっぱなしで運転することは不可能です。 車の運転にはたくさんの情報が必要になりますが、遠くが見えないと周りの人やご自身にも危険が及ぶことが考えられます。よって、絶対に車の運転には使用しないでください。

中近両用で車の運転

中近両用はパソコン作業に向いていますか?

はい。遠近両用を使っている方なら中近両用との併用をお奨めします。

中近両用はレンズの中央部分が中間距離を見る設計になっていますので、遠近両用より見やすくなります。

遠近両用は外出時に使うメガネとして。中近両用は室内で使うメガネとして掛け替えて頂いた方が見やすく、姿勢も楽な体制になりますので体の色々な部分の疲れが違ってくると思います。

中近両用は自宅でテレビを見たり、食事をするときにも使いやすいですか?

はい。遠近両用よりも楽に見えると思います。

中近両用の度数設定にもよりますが、まっすぐ前を見た時の目線が数メートル先を見る場所になっていますので楽な姿勢で楽しむ事が出来るはずです。もちろん遠近両用でも見えるのですが、長時間使った時の疲れの度合いが異なってきます。

また、視野角の問題もあります。近くから中間距離に関しては、遠近両用より中近両用の方が広くなっています。最近、テレビの大型化が進んでいますが、テレビとの距離が近くなれば近くなるほど広い視野角が必要になりますので、この点でも中近両用の方が見やすいはずです。

中近と遠近の視野角

中近両用に関するご質問が増えている理由

ひとつは新しい生活様式となり、ご自宅や事務所内で過ごす時間が長くなったことが原因だと思われます。

また、眼鏡店側も時代に合わせて「遠近両用の室内版が中近両用です」「外出時は遠近、お仕事やご自宅では中近が便利です」「長時間のパソコンやテレビを見る時は、遠近より中近両用の方が疲れも少ないです」などとご説明しながら中近両用を販売させて頂いておりますので、これも原因の一つだと思われます。 こうした結果、中近両用をご購入された方が増えたことで、その評判をお聞きした未使用者の方からのお問い合わせも増えはじめました。

中近両用に関するご質問のまとめ

ご質問に多かった「外出」「歩く」「階段」に関しては、中近両用の本来の目的からは外れていますので、可能は可能ですが十分に慣れてから行ってください。

最後に、中近両用を掛けたままで「車の運転」は絶対に行わないでください。


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