もしかして老眼?とお悩みの方に
「老眼」と聞くと拒絶反応を起こす方も多いですよね?老けて見られることなんて受け入れられないのが普通です。
とは言え、近くの見づらさを感じているのに下手に我慢した結果、文字を読みたくなくなって仕事でミスをしたり、説明書を読まなかったことで事故に繋がったり、食品成分が見えなくてアレルギー症状を起こしたりなど、生活の質が下がるほうが問題だと思います。
また、女性に言われてドキっとしたのが「老眼を我慢すると目をしかめてしまうので、眉間にしわが寄って取れなくなってしまった」というお話。男性は気付かないかもしれませんが、女性にとっては大問題になってしまいます。
因みに、遠くが見えない近視で小さい頃からメガネを使ってきた方が老眼になった時、近視の度数を下げるか、遠近両用等の設計が異なるレンズを使うことで対処しますので、周りに悟られることは少なくて済みます。
しかし、今までメガネを必要としなかった方はメガネを掛ける必要がある為、残念ながら周りに悟られてしまうのです。そこが辛いところです。
ところが最近は「疲れ目対策のブルーライトカットを使って見ようと思って~」とか「スマホ老眼だから~」とか言えるようになったので好都合だと思います。特に周りの人が若ければ老眼鏡の知識はありませんので言い切るのも良いでしょう。
さらに若く見えるようなフレームで老眼鏡や遠近両用を作られる方も増えてらっしゃいますので、この際、前向きに考えて、店頭で若々しく見えるフレームを楽しみながら探してみるのもよろしいのではないでしょうか。
次項から老眼について詳しくご説明しますので、是非、購入前にご確認ください。
老眼とは?
老眼の基礎知識からご説明します。
・老眼は誰しもが避けられない加齢現象の一つです。
・近くにピントを合わせる調節力の衰えが原因で近くが見えなくなってきます。
・近視の方でも老眼になります。遠視の方でも老眼になります。
・遠くが良く見える目の良い方も同じように老眼になります。
・「離せば見える」「近視用のメガネを外せば見える」は老眼の症状です。
・「目が疲れやすくなってきた」も老眼の症状の一つです。
・「細かい文字を読むのが嫌いになってきた」も老眼の症状の一つです。
・40代半ばから見づらさに気づき始め、50歳前後で老眼鏡を掛けることが多いです。
・調節力は70歳位でゼロに近い状態になるので、それまで老眼は進行し続けます。
・個人差はあるものの老眼鏡を掛けようが掛けまいが老眼は進みます。
・近くが見づらいと感じたら老眼鏡を掛けた方が楽に見えるようになります。
・絶対に老眼鏡を使わないといけないという事はありませんが、使わないと苦労されます。
・スマホ老眼は20代、30代の若い人がスマホの長時間使用により、加齢による老眼と同じような症状を訴えることを指します。
初めての老眼鏡
老眼の基礎知識を得たところで実際にどうしたら良いのか?ということで、今までメガネを掛けたことが無い方に対する老眼対策を手軽な順にお伝えしていきます。
① 既製老眼鏡で試してみる
100円均一やコンビニ、スーパーマーケットやホームセンター等で販売されている既製品の老眼鏡を試すのが一番手っ取り早く、価格的にも安価でお試しいただけると思います。
☆メリット
・手軽に購入できる
・価格の安さ
★デメリット
・雑貨品としての品質
・長持ちしない
・見える距離が狭い
・デザインが古臭い(いかにも老眼みたいな)ものが多い
・掛け心地の調整が出来ない
・掛け外し、持ち運びが面倒
・個人に合わせて作ったものではないので長時間の使用には向かない
・売場で専門家のアドバイスを聞けないこと
ということで、事前にアドバイスさせて頂きますと、既製品は短時間の使用やお試しには良いと思います。 注意点は売場で試し掛け出来る場合、近くを見た時に文字が見える度数の中で一番弱いものを購入することをお奨めします。度数が強いものを購入してしまうとクラクラしたり、頭痛の原因になってしまうことがあります。度数は+1.00、+1.50、+2.00、+2.50、+3.00と言うような表示で数が多いほど強くなります。
② 眼鏡店の低価格セットで老眼鏡を作る
店舗の販売価格にもよりますが5,000円前後から10,000円程度でセミオーダーメイドの老眼鏡を作る事が可能です。
☆メリット
・個人の目の状態や見たい距離に合わせて作れる
・長時間の使用も可能
・リーズナブルな価格
・価格帯によって限られるが、デザインは選べる
・掛け心地の調整が可能
・売場で専門家のアドバイスを聞ける
★デメリット
・既製老眼鏡より価格が高くなる
・既製老眼鏡と比べると品質は良くなるが、それでも品質はそれなり
・見える距離が狭い
・掛け外し、持ち運びが面倒
・ブランドものや高機能メガネフレームは選択できない
ということで、専門家としては2~3,000円出して既製老眼鏡を試すくらいなら、個人に合わせた老眼鏡を作る方をお奨めしたいです。悩むなぁ~という場合は、100円均一のものを自宅で数日使ってから眼鏡店で作るのが良いと思います。
因みに、ブルーライトカットはオプション扱いとなる為、プラス数千円掛かりますのでご了承ください。
③ メガネフレームと高品位レンズを組み合わせる
ブランド品へのこだわりがある方、品質の良いメガネが欲しい方、お洒落なメガネで老けて見られないようにしたい方、見える距離が長くて視野も広いレンズが良い方にはこちらがお奨めです。
☆メリット
・お好きなブランド品が選べる
・長時間掛けられる品質の良いメガネが作れる
・老けて見られないお洒落なメガネが選べる
・近々両用や中近両用などの見える距離が長くて視野も広いレンズが選べる
・個人の目の状態や見たい距離に合わせて作れる
・掛け心地の調整が可能
・売場で専門家のアドバイスを聞ける
★デメリット
・掛け外し、持ち運びが面倒
・価格は選ぶもの次第でピンキリ
④ 老眼鏡の掛け外しが面倒な方は・・・
人の目は年齢と共に遠視傾向が表れることが分かっていますので、目が良かった人でも年齢と共に遠くも見づらくなることがあります。確認してみないと分かりませんが、もしかして遠くを見るための度数が入っていた方が見やすくなる場合には、一日中掛けっぱなしでいられる遠近両用も検討してみると良いかもしれません。
また、老眼鏡の掛け外しが面倒、老眼鏡の持ち運びが面倒という方にも遠近両用はお奨めです。
☆メリット
・一日中掛けっぱなしでいられる
・遠くも近くも見ることが出来る
・老けて見られないお洒落なメガネが選べる
・個人の目の状態や見たい距離に合わせて作れる
・掛け心地の調整が可能
・売場で専門家のアドバイスを聞ける
★デメリット
・価格は選ぶもの次第でピンキリ
いかがでしょうか?
何となくでもイメージ出来ましたでしょうか?
続いてフレームとレンズに関してのご説明を追加しておきますので、是非、ご参考にしてみてください。
女性にお奨めの老眼鏡に見られないメガネフレーム
昔ながらのメタルフレームですと「いかにも老眼鏡」になってしまいますので、カジュアルな印象のプラスチックフレームから始めてみてはいかがでしょうか?プラスチックフレームは価格的にも魅力的なものが多く、肌の色や服装に合わせて色合いも楽しめます。
また、女性は「似合う・似合わない」を最重要視される方が多いです。
丸顔さんには四角くて上下が狭いスクエアなメガネが良いとか、面長さんには大きめで四角いウェリントンや丸いラウンドメガネが良いとか、いろいろなアドバイスがありますが、色や太さなどでイメージは大きく変わりますし、メガネを目立たせて印象を変えたいか?メガネより素顔を重視するか?で大きく違ってきます。
最近はマスクを外せない世の中になっていますが、マスク+メガネで化粧が薄くなった、もしくは化粧をしないで出歩くようになったという話も聞きます。そんな効果もあるメガネですから楽しんで選ぶくらいの気持ちで前向きにとらえてみるのも良いのではないでしょうか?
このあたりは眼鏡店の店員さんに伝えて頂ければ、いろいろ提案してくれると思います。
男性にお奨めのキリっとカッコよく見せるメガネフレーム
東北地方で有名なお笑いコンビの突っ込み担当の方が掛けているような、眉尻がつり上がった形状のメガネフレームはいかがでしょうか?時々メガネを外すのでご存じだと思いますが、とっても優しい目をしていますよね。それがメガネを掛けるとキリっとカッコよく見えるので不思議です。
年齢と共に下がってくる眉尻、重力に逆らえずに丸くなる顔をキリっと見せてくれる効果があります。知的にも見えますので仕事が出来そうな感じも受けます。
男性なら是非チャレンジしてみてください。
眼鏡レンズについて
既製老眼鏡や低価格セットのところでデメリットとしてお伝えした「見える距離が狭い」という事に関して少しご説明しておきます。
眼鏡レンズには単焦点と多焦点という設計があります。ピントが合う距離の数によって変わるのですが、単焦点の方が基本的なレンズになりますので、低価格帯のレンズには単焦点のレンズが組み合わさることが多くなります。
単焦点と多焦点、具体的に何が違うかと言うと見える距離と範囲の違いです。
イラストを見比べて頂けると分かりやすいのですが、この距離や範囲の差が使い勝手の差となり実際にメガネになった時、大きな違いが出てきます。
眼鏡店でお好きなフレームと高品位レンズの組み合わせをして頂く場合、こういったレンズを選択することも可能になりますので、是非、見え方の違いを体験して頂きたいです。
ルーペは拡大鏡です。老眼鏡ではありません
一時期、テレビCMを流していたのでご存じの方も多い「メガネ型のルーペ」。いわゆる拡大鏡なのですが、老眼鏡と混同してしまいがちですので補足しておきます。
先ず、老眼で衰えてしまった調節力を補うものが「老眼鏡」です。老眼鏡はパソコン、スマホ、読書、新聞など、見たい距離が決まっている場合に掛けるピントを合わせる道具です。強さの目安は「+1.0、+2.5」などの数字が記載されます。
対して「ルーペ(虫眼鏡・拡大鏡)」は針に糸を通す時や一時的に細かい物を拡大したいときに使う大きく見せる道具です。強さの目安は「拡大率(倍率)1.32倍、1.6倍、1.85倍」と記載されています。
因みにルーペは目の錯覚を利用して大きく見せているので、長時間の使用はお奨めできません。 老眼鏡とルーペは用途が違いますので、老眼には老眼鏡で対処してください。