疲れ目対策

遠近両用メガネが疲れる方は中近両用レンズを試そう<前編>

「遠近両用メガネは疲れる」という方が最近、増えています。原因を断定するのは難しいのですが、もしかしたら目的距離とレンズ設計が合っていないのかもしれません。屋内や室内で過ごす時間が長い方は中近両用レンズの方が向いています。

遠近両用メガネが疲れる理由 … 使用目的との相違

遠近両用メガネが疲れる理由として一般的なのは、「度数が合っていない」「フィッティングが合っていない」「キズやコーティング剥げによる乱反射」等が挙げられるのですが、最近は別の理由が増えています。

それは「使用目的との相違」です。

遠近両用レンズが発売されたのは約40年前の話で、当時はパソコンもスマートフォンもありませんでした。仕事環境は手書きの文書に計算機、情報取得はテレビのニュースか新聞や雑誌という時代だったと思います。よって、当時の老眼世代は遠くと近くが見えれば良かったのです。そういった方々を主とした設計思想の元で作られたのが遠近両用です。

遠近両用レンズの設計イメージ

対して現在の仕事環境や情報取得は、パソコンやタブレット、スマートフォンが主流です。もちろんテレビも見ますがサイズが段違いに大きくなっています。さらに、おうち時間やリモートワークも増えています。よって、現在の老眼世代は遠くと近くというより、中間と近くが見えることが重要になってきているのです。

それなのに遠くと近くが主となっている遠近両用を使っているのですから、疲れたり、見づらかったりといった症状を訴えるのはある意味当然の事なのです。

現代の老眼世代に向いているのは、遠近両用ではなく中近両用だった!

「遠くと近く」というより「中間と近く」が見やすいメガネってあるのでしょうか?

答えは『中近両用レンズ』です。

中近両用レンズは「室内用の遠近両用」とも呼ばれていて、中間距離と近くを見る事を主とした設計思想で作られた、室内で過ごす時間が長い方にお奨めのレンズなのです。

それでは、ここからは遠近両用レンズと中近両用レンズを比較しながらもう少し細かくご説明していきます。

老眼世代 イメージ

遠近両用レンズと中近両用レンズの比較 … 設計イメージ

先ずは中近両用の設計イメージをご確認いただきたいのですが、中近両用は遠近両用の一部分を拡大させたような感じの設計になっています。

中近両用は遠近両用と比べて遠くを見る部分はほとんどカットされていますが、中間と近くがもの凄く大きくなっていることで中間や近くが見やすくなっているのです。

中近両用レンズの設計イメージ

遠近両用レンズと中近両用レンズの比較 … 距離

次に見たい距離、見える距離に関してですが、距離に関しては違いがほとんどありません。ただし、距離別の面積と位置が異なっていることから、それぞれのレンズが得意不得意とするところが見えてくると思います。

因みに、中近両用の5mの所に記載されている「運転・散歩・映画鑑賞」は、中近両用ではお奨め出来ませんので文字を薄くしてあります。また、遠近両用のところには記載しなかったパソコンとスマートフォンは中近両用の得意分野の為に赤文字で記載しています。

遠近両用と中近両用の設計と距離

遠近両用レンズと中近両用レンズの比較 … 横方向の視線

距離別の面積と位置に対して視線を絡めて比較してみましょう。

「遠近両用レンズは使いづらい」「遠近両用レンズはユレ・ユガミがある」というご感想を頂くことがあります。これは遠近両用レンズが、徐々に度数が変化することと、中間と近くを見る部分が狭くなっている為に、目線だけを動かすと見える部分から外れてしまったり、ユレ・ユガミが発生する部分に目線が行ってしまう事が原因の一つです。

中近両用レンズも徐々に度数が変化しますが、中間と近くを見る部分が広くなっていますので、ユレ・ユガミが発生する部分に目線が行くことは少なく、見やすく使いやすく感じるのです。

遠近両用と中近両用の横方向の視線

次回は縦方向の目線に関して実験結果を合わせてお伝えします。
『遠近両用レンズと中近両用レンズの比較 … 縦方向の視線記事ページはこちらから。

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遠近両用メガネが疲れる方は、中近両用レンズを試そう<後編>


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