メガネ選びのポイント

ウイッグとメガネのお話。/メガネスタイリスト・里和さんの連載③

髪のボリュームダウン、白髪、薄毛など、年齢を重ねていく出てくる髪のエイジングサイン。おしゃれ目的や病気の治療期間中にウイッグの利用を考えていらっしゃる方へ。今回は、ウイッグライフを快適にするメガネのかけ方のお話です。

お話をうかがいました

里和(さとわ)さん

帽子とメガネのスタイリスト

2006年より帽子作家として活動。銀座三越や京王百貨店(新宿)などでグループ展を行った際、「似合う帽子の選び方」を知りたいお客さまがたくさんいることに気づき、「似合う帽子を見つける3つのポイント」を帽子理論として独自で体系化。その後、帽子スタイリストとして活動を始める。同時期にメガネの相談を多く受けるようになり、現在はメガネと帽子のスタイリストとしても活動。メガネの買い物同行サービスやプロ向けの講座「メガネと帽子のプロ養成カレッジ」なども開催している。

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ウイッグと地毛の時では、メガネのかけ心地が変わります。

メガネスタイリストの里和さんは、ある日突然脱毛症を発症し、約1年間医療用のウイッグを利用していた経験があります。地毛の時とウイッグを着けている時では、メガネのかけ外しで気を付けた方がいいことやメガネの役割が違っていたそうです。その当時の体験をもとに、ウイッグライフを快適にするメガネのかけ方について教えていただきました。

――地毛の時とウイッグを着けてる時とでは、メガネのかけ方にどんな違いがあるのでしょうか?

里和 ウイッグにもメーカーによって形などが微妙に違うため、全体の生え際の位置がそれぞれ違います。頭の形との相性やかぶり心地の好みなど人それぞれですので、ひとつの正解があるわけではありませんが、特に耳周辺の生え際の深さが浅いとメガネのテンプルがウイッグに入り込みやすくなったり、深いとウイッグに当たったり入り込んでテンプルが持ち上がり、メガネ全体がビヨンっと上がりやすくなってしまいます。

●ウイッグの内側の位置

ウイッグとメガネ。ウイッグの内側の位置。

モダンの太さも、かけ外しのときに影響します。モダンが太いメガネの場合、メガネをかけたときに耳とウイッグの間をスムーズに通すことができなかったりウィッグに当たっておさまりが悪くメガネが持ち上がってしまったりすることがありますし、逆にモダンが細いメガネの場合はウイッグやウイッグの内側にあるネットに入り込んだり引っかかってしまうことがありました。

●モダンの注意ポイント

ウイッグとメガネ。モダンの注意ポイント

里和 ウイッグを着けた時は、それまでとは違ったかけ心地になることがありますので医療用のウイッグの時はもちろん、日常的におしゃれ用のフルウイッグを利用される場合でも、必ずメガネ屋さんでかけ心地を調整していただくことをおすすめします。

メガネ屋さんに、ウイッグを着けていることを伝えた方が良いですか?

里和 フィッティングをする時、地毛の時とは違う感触があるため、あらかじめお伝えしておいた方が店員さんも気を使う必要がありませんし、こちらも「ウイッグって気づかれるかも」とソワソワしなくて済みますね。私は、必ず店員さんに事情を話すようにしていました。

ウィッグが必要なくなった時、メガネの調整は必要ですか?

里和 ウイッグがモダンにかからないよう調整してある場合は、ウイッグを外した時点でメガネがゆるくなるなどかけ心地に変化があると思いますのでフィッテングをし直した方がよいですね。

また、ウイッグが浮くのを防ぐために、耳元の髪の毛をメガネで挟んでウイッグが浮かないようにしている方がいらっしゃいますが、その場合もウイッグを外すとメガネがゆるくなると思いますので、フィッティングをしてかけ心地を調整した方が良いと思います。

いずれの場合でなくても、ウィッグなしでメガネのかけ心地に変化を感じたらフィッティングをし直してもらうことをオススメします。

脱毛症の治療中、メガネをかけていてよかったこと。

里和 ウイッグを探し始めて感じた地毛との違いや違和感は、髪質と分け目でした。そのため、できるだけ髪質や分け目が自然なものを探して購入しました。自然に見えるウイッグをかぶっているとはいえ、「大丈夫かな?」「不自然じゃないかな?」「ウイッグがずれていないかな?」と、かぶり始めの頃はどうしても道行く人たちの目が気になります。

そんな時、メガネをかけているとヘアスタイルよりもメガネに視線がいくので、「大丈夫、大丈夫。頭は見られていないはず」とメガネをお守りのように感じていました。

ウイッグ×メガネのおすすめコーディネート

–ウイッグの時ならではのメガネの選び方はありますか?

里和 ウイッグの場合、おでこの生え際がどうしても不自然になってしまうため、生え際が見えないように前髪を厚めに作ってある場合が多いです。ウイッグが決まるとお店でその人に合わせて髪をカットしてもらえることが多いのですが、「前髪を薄めにして欲しい」とお願いしても「ある程度の厚みはあったほうが良いですよ」とアドバイスされることになると思います。そうなると、前髪が重くなってしまうため、太いフチのメガネだと目元に髪やメガネなどが集中してしまい、「うるさく見える」「暗い印象になるのが気になる」という人はいらっしゃると思います。

太めのフチのメガネを普段かけている方は、ウイッグサロンのスタッフさんに要望を伝えて不自然にならない程度に前髪を薄くしてもらったり前髪以外を軽くカットしてもらうなど、できる範囲で顔周りをすっきりしてもらうと良いと思います。私も、ウイッグサロンの方にはいろいろと相談に乗っていただきました。

私が脱毛症で医療用ウイッグを着けていた時は、もみあげがなく不自然に見えるため髪を耳にかけられませんでした。顔の両サイドに髪の毛があるため、私がウイッグをしていたときは細めのタイプのメガネをかけて、顔の印象をすっきりみせることが多かったですね。

 

\里和さんのウイッグ×メガネ コーディネート/
里和さんは、ちょっと重めなボブスタイルのウイッグを着用していました。

●顔周りをすっきりさせるには、細めのメタルフレームがおすすめ。

●黒縁のメガネでも、太さが違うと印象が変わります。

ウイッグとメガネ。黒縁メガネの比較。

●フチが太めのセルフレームなら、透け感のあるタイプがおすすめ。

–色と太さではどちらを気にした方が良いですか?

里和 フレームの太さでインパクトが変わりますので、見た目の印象は、色より太さの方が影響があるかもしれません。ウイッグと合わせてみないと雰囲気はわかりにくいため、ウイッグを作るときにウイッグサロンのスタッフさんにも見た目の雰囲気や印象を聞いてみて、かけているメガネに合うようにウイッグをカットしていただくと良いと思います。

以上、私が医療用ウィッグを着けていた時に感じたことや経験したことですが、他にも私が気づいていないお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
ウィッグ×メガネにまつわるお悩みやお困り事がありましたら、お教えください。

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ウイッグ×メガネスタイルを素敵にみせるには、前髪とメガネのバランスが大切なことが、里和さんのお話でわかりました。そして、日常的にウイッグをつけるのなら、ウイッグに合わせたフィッティングがとっても需要! かけ心地が悪いと、物が見えづらくなり目の健康にも悪影響がでますので、フィッティングは必ずしてくださいね。

 

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