メガネ選びのポイント

くもりにくいレンズで度付きサングラスを作ってみませんか?

マスクを着けて運動する時、サングラスが曇りませんか?走っている最中にレンズが曇ると不快なだけでなく危険な目に合わないとも限りません。安全確保のためにもHOYAから発売されている「くもりにくい」レンズでサングラスを作ってみませんか?

くもりにくいレンズとは

マスク使用時、コーヒータイム、料理の湯気、汗をかいた時、冬場や梅雨時の電車やバス、散歩中などメガネが曇って困ったことがあると思いますが、HOYAから発売されている「KUMORI291」というレンズは“ノーメンテナンス”で曇りにくいという特徴を持ったレンズです。

実はコロナ前にも、くもり止め加工が施されたレンズというものは発売されていましたが、マスクを着用する方が少なかったことと、特殊な液体を塗り込むメンテナンスが必要だった為に廃れていった経緯がありました。

しかし、今回のコロナ禍では地球規模でマスクを装着することとなった為、メガネやサングラスが曇る事へのご不満がもの凄く高まり、塗ったり吹き付けたりするタイプのくもり止めをご購入される方が増え、世界規模で品薄状態が続いたのは記憶に新しいところです。

ただ、やはりくもり止めを塗ることは手間がかかる為、メンテナンスが不要なレンズへの要望が高まり、レンズメーカー大手のHOYAから満を持して“ノーメンテナンス”で曇りにくい「KUMORI291」というレンズが発売されました。

「KUMORI291」は通常レンズの約3倍のくもり低減効果が得られるレンズですので、普段使うメガネに使う事もお奨めなのですが、安全確保が必要な度付きサングラスでご利用になる事もご提案させて頂きます。

一般的なレンズがくもる原因と対処方法

現在、主流となって販売されているメガネのレンズは、撥水(はっすい)コーティングが施されています。

撥水コートは汚れが付きにくく、ついた汚れも落としやすいというメリットがあることから、メガネの基本となったコーティングなのですが、撥水性の高さから「くもりやすい」というデメリットがありました。

蒸気や呼気に含まれる水分をはじいてしまい、ダマになった水分がレンズの表面にたくさん付くことで「くもる」といった状態になってしまうのです。

マスクが常態化するまでは寒い時期に限られることが多かったので気にする人も少なかったのですが、時期やシーンを問わずメガネが曇るようになってしまった事と医療関係者のゴーグルがくもったことで対処方法に気を遣う方が増えました。

レンズが曇る仕組みと対処方法

一般的な対処方法はレンズの表面に親水性の膜を張ることです。親水性の膜を張ることで水分をダマにせず、馴染ませるようにすることでくもりを防ぎます。

これが俗に言う「メガネのくもり止め」であり、ジェル式、液体式、スプレー式、メガネ拭きに染み込ませたものなど色々なタイプがあります。

効果や持続時間はジェル式 > 液体式 = スプレー式 > メガネ拭きの順ですが、手間もジェル式 > 液体式 = スプレー式 > メガネ拭きの順になりますので、どれが良いかの判断は難しいところです。

また、レンズに付着した水分が表面に残るためクリアな視界ではなくなります。表現が難しいのですがうねうねした見え方になります。

親水性くもり止めレンズと吸水性くもり止めレンズ

親水性くもり止めレンズとは、先に記載した特殊な液体を塗り込むメンテナンスが必要なくもり止めレンズのことです。

一般的なレンズの表面に施されている撥水コートの部分が親水コートになっていて、親水膜を作るためのくもり止めと同じような効果があるコーティングです。

ただし、週に1~2回程度、特殊な液体を塗り込む手間が必要な為、あまり人気とはならなかったレンズです。

親水性くもり止めレンズ 吸水性くもり止めレンズ

対して吸水性のくもり止めレンズは、レンズ基材の上に吸水膜を付けたものになります。この吸水膜でレンズに付着する水分を吸い取って、ダマや膜にさせずにくもりを防ぐ効果を作り出しています。

最大のメリットは「メンテナンスの必要が無い」ことです。これは使う人にとっては手間が省け楽になります。また、水分の膜を作らないことでクリアな視界を保つことが可能なところも良い点です。

吸水性くもり止めレンズのデメリット

先の図を見て頂けるとお分かりいただけると思いますが、吸水性のくもり止めレンズには、ハードコートと反射防止コートが付いていません。

これにより一般的なメガネレンズや親水性のくもり止めレンズと比べると、「キズに弱い」ことと、レンズ表面が「反射しやすくなる」というデメリットが生まれます。

ご存じの通りプラスチックレンズはキズに弱い為、今までのプラスチックレンズ以上に取り扱いにご注意頂く必要があります。

また、反射防止コートが付いているレンズに関しては、レンズ表面がグリーン系、もしくはブルー系の反射光になり、レンズ表面での反射があまり気にならないようになっています。

しかし、吸水性くもり止めレンズには反射防止コートがついていないので、白く反射してしまいます。

デメリットをメリットに変える発想の転換

問題となっている白い反射光ですが、実は白い反射光はレンズの色が綺麗に見えることや、ミラーレンズのような反射に感じてカッコよく見えるというメリットもあります。

実際にHOYAで販売されている最上級のコーティングの中にも、ヴィーナスガードコートパールという色を綺麗に見せる為に、あえて白い反射光を作ったコーティングが存在しますのであながち嘘ではありません。

HOYA ヴィーナスガードコート 反射光

ここで発想の転換です。白い反射光を利用して「色が綺麗に見えること」と「ミラーレンズのようにカッコよく見えること」を利用して度付きのサングラスを作るのです。

しかも、吸水性のくもり止めレンズは通常のレンズより3倍くもりにくい訳ですから、汗をかくジョギングやウォーキング、景色も楽しみたい山登りやハイキング、ファッションも重要視されるサイクリング等で活躍すること間違いなしという感じです。

もちろんベースがメガネのレンズですから、近視の度数や遠近両用で作ることも可能です。

元気なシニアのお散歩やお買い物にも使えそうですね。

HOYA「KUMORI291」対応レンズ

●累進多焦点レンズ

・HOYALUX Wellna(ホヤラックスウェルナ)両面複合累進設計

・HOYALUX Synchro(ホヤラックスシンクロ)両面シンクロ累進設計

・スペクティーHG(スペクティーエイチジー)内面累進設計

・HOYALUX RF SPORTS(ホヤラックスアールエフスポーツ)内面累進設計

●単焦点レンズ

・NULUX WF(ニュールックスダブルエフ)両面非球面設計

・NULUX RF(ニュールックスアールエフ)内面非球面設計

・NULUX RF SPORTS(ニュールックスアールエフスポーツ)内面非球面設計

・NULUX(ニュールックス)外面非球面設計

・SL903(エスエル903)外面非球面設計

・SL982(エスエル982)外面非球面設計

・SL82(エスエル903)球面設計

※RF SPORTSは累進多焦点レンズ、単焦点レンズ共にスポーツ用のカーブしたサングラスに対応したレンズです。

※カラーの種類はオプティカルカラー協会から発売されているアリアーテトレスからの選択となります。色味をご確認したい方は下記のアドレスからご確認ください。

http://oca-arriate.jp/index.html


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