お話をうかがいました
里和(さとわ)さん
メガネと帽子のスタイリスト
2006年より帽子作家として活動。銀座三越や京王百貨店(新宿)などでグループ展を行った際、「似合う帽子の選び方」を知りたいお客さまがたくさんいることに気づき、「似合う帽子を見つける3つのポイント」を帽子理論として独自で体系化。その後、帽子スタイリストとして活動を始める。同時期にメガネの相談を多く受けるようになり、現在はメガネと帽子のスタイリストとしても活動。メガネの買い物同行サービスやプロ向けの講座「メガネと帽子のプロ養成カレッジ」なども開催している。
運転用のメガネにオススメのフレームとは?
里和 まず、軽くて、かけていて疲れないこと。また目から入ってくる情報を、より早く確実に処理する為に、視界を妨げない機能性を重視したデザインの方が安心です。フレームのデザインによっては、レンズ部分の大きさやフレーム枠の太さで、思わぬ死角ができる場合もございますので、装用したら、必ず色々な角度へ目や首を動かし、見え方(特にメガネのフチ部分)を確認しておきましょう。
里和 大前提として、フィッティングはとても大切です。そもそもメガネがずれてくると運転に集中できず危険です。またメガネがズレると自然と姿勢も悪くなり、目や体が疲れる原因になってしまう場合もあります。
機能的なカラーレンズを選ぶ
里和 以前、職場で印象が良くなるカラーレンズのお話をしましたが、運転用メガネを選ぶなら、機能性のあるカラーレンズにするという選択肢があります。
カラーレンズというと太陽光のまぶしさ軽減や紫外線から目を守るイメージが強いですが、レンズの色や濃度によっては、対向車のライトのまぶしさを軽減してくれるレンズや、夕暮れなどの暗くなり始めた時でも使用できるカラーレンズもあり、薄暗く見にくい時でも、コントラストをはっきりさせてくれる機能的なタイプもあります。
\夜でも使えるカラーレンズとは?/
●カラー濃度
里和 人の安全や健康を保つために国が定めた商品規格「JIS規格」では、カラー濃度がおおよそ25%以下(視感透過率75%以上)のカラーレンズであれば、昼夜の運転が認められています。カラーレンズの濃度が薄いと、職場でかけてもレンズの色はそれほど気にならないと思います。
●レンズカラー
里和 見た目を重視するならグレーやブラウンなどベーシックカラーがオススメですが、カラーによって見え方が変わります。運転にも使えるレンズカラーを選ぶ場合、見た目だけでなく各カラーの機能性を重視して、ご自身の弱い点を補うという視点も取り入れてみてはいかがでしょう。
[グレー系]
色調の変化が少なく見え方が自然になる。昼夜使うのであれば、グレー系がおすすめ。
[ブラウン系]
まぶしさを軽減できる。コントラストが上がる。日本人の肌に馴染みやすい色。
[グリーン系]
目が疲れにくい。比較的に自然な見え方。屋外や長時間の利用にもおすすめ。
[イエロー系]
日中、太陽光が眩しい時は、余計に眩しくなってしまう可能性がある。基本的には曇天、雨天、夜間用のレンズ。視界のコントラストを高め、夜間のヘッドライトのまぶしさを抑える効果がある。
偏光レンズという選択肢もあります
里和 目に強く照りつける太陽光は疲労や強いストレスの原因になりますが、偏光グラスを通すことで、長時間運転による目の疲労やストレスを軽減できるということがわかっています。*
*参考資料:医学研究科・井上教授が監修の運転疲労に対する抗疲労レンズの効果の実証実験.https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/2010/742
\偏光レンズとは?/
路面、水面、雪面等で反射したギラギラした反射光を遮ることで、まぶしさ対策、ストレス対策、疲れ目対策ができるレンズ。視認性やパフォーマンスの向上も期待できます。
里和 偏光レンズはまぶしさや疲れ目対策ができるというメリットがある一方で、デメリットもあります。
偏光レンズの場合、見る角度によっては車のメーターやカーナビ、スマホの画面などの液晶画面が見づらくなる場合があります。運転で使うメガネに偏光レンズを入れるのであれば、車のメーターやスマホの画面の見え方などを、見る角度を色々と試しながら、テストレンズでチェックしましょう。
偏光レンズには、特殊なフィルムが挟んであるタイプもあり、その場合は、フチなしやツーポイントタイプのフレームへの使用は適していませんので、フレーム選びには注意が必要です。
「運転用メガネ」選びのまとめ
里和 運転用メガネ以外でも必須条件ですが、フィッティングがとても大切です。偏光レンズを入れるのであれば、車のシートに座ってメーターやカーナビを見て、メガネがずれないかのチェックと共に、液晶画面がしっかり見えるか確認しましょう。ショッピングセンター内に店舗がある場合は難しいかもしれませんが、路面店のメガネ屋さんであれば、お店の方に確認したうえでご自身の車で試してみてください。
カラーレンズの場合は、なるべく屋外に出て、紫外線の下で標識や信号の色の変化、ナンバープレートの見え方などをチェックしてみましょう。
フレームを選ぶ時は、フレームが視界を邪魔しないかどうかを確認します。太いフレームの場合、視界がフレームで見切れてしまい運転の邪魔になることがありますので、視界のみやすさを意識しましょう。
クリップオンサングラスなら1本で2役!
里和 日常使いの延長で使える運転にも快適なカラーレンズや偏光レンズに興味はあるけど、お仕事の都合上、色が薄くてもカラーレンズが入れられない。かといって、いちいち運転のたびにサングラスにかけ替えるのが面倒だなぁ、と思っている人もいるかもしれません。そんな人におすすめなのが「クリップオンサングラス」です。私も愛用していますが、とても便利!
おすすめポイントは、
・1本の度付きメガネが度付きサングラスにもなる(度付きレンズの制作は1種のみ)
・2本持ち歩かなくて済むので、荷物がコンパクトでかさばらない
などがあります。もちろん、偏光レンズも入れられます。
\クリップオンサングラスって、重くないですか?/
里和 重さはそれほど気になりませんが、かけ始めの頃は長時間かけていると鼻に少し負担がかかるなという感じはありました。
クリップオンサングラスをかけるようになってからメガネが下がりやすくなってしまったので、購入したお店で再度、調整をしてもらいました。今は快適に使えています。やはり、自分の顔に合わせたフィッティングは大事ですね。
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「運転用メガネ」選び方のポイント。
里和さんのアドバイスを参考にしながら、お近くのプロショップで素敵なメガネを見つけてください。
\里和さんの連載/
似合うメガネを選んでくれる店の選び方/メガネスタイリスト・里和さんの連載①
婚活メガネは「話しやすい」印象づくりが大切!/メガネスタイルスト・里和さんの連載②
ウイッグとメガネのお話。/メガネスタイリスト・里和さんの連載③
メガネと帽子のコーディネートのお話/メガネスタイリスト・里和さん連載④
儲かる男になるメガネのお話/メガネスタイリスト・里和さん連載⑤
カラーレンズで職場での印象が良くなるお話/メガネスタイリスト・里和さん連載⑥
繊細さんの疲れを軽くする「メガネ」と「帽子」のはなし/メガネと帽子のスタイリスト里和さん連載⑦
顔が大きい人のメガネ、顔が小さい人のメガネ。|メガネスタイリスト里和さんの連載⑧
「サングラスが似合わない」を解決する方法|メガネスタイリスト里和さんの連載⑩
行きたい場所で選ぶメガネの話|メガネスタイリスト里和さんの連載⑪
老けるメガネ、老けないメガネ|メガネスタイリスト里和さんの連載⑫
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